4年ぶりにCMMIが改訂されました。
CMMI Version 1.3 の主な変更点を紹介していきます。まずは、ML2および3のプロセス領域の固有ゴールと固有プラクティスから見ていきましょう。日本語版はまだでてませんので、日本語訳は私の勝手な訳です。
統合プロジェクト管理(IPM)
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SG 3 および関連する固有プラクティスが削除。IPPD追加分が削除されました。
SP 1.6 追加。「チームを確立し維持する」
SP 1.7 変更。「作業成果物、測定値、および文書化された経験」が「プロセス関連の経験」になりました。
組織プロセス定義(OPD)
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SG 2 削除。IPPD追加分が削除されました。
SP 1.7 追加。前のSP 2.2です。「チームの体系、編成および運営のための組織の規則および指針を確立し保守する」
組織プロセス重視(OPF)
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固有ゴールに実質的な変更なし。
SP 3.4 変更。「作業成果物、尺度、および改善情報」が「経験」になりました。
組織トレーニング(OT)
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SG 1 変更。「管理上および技術上の」がなくなりました。
SG 2 変更。「必要な」がなくなりました。固有プラクティスに実質的な変更なし。
成果物統合(PI)
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固有ゴールに実質的な変更なし。
SP 1.1 変更。「成果物構成要素統合の順序」が「成果物統合戦略」になりました。それに伴い、SP 3.2 も「順序」ではなく「戦略」になりました。
要件開発(RD)
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SP 1.2 変更。「顧客要件」が「優先付けられた顧客要件」になりました。
SG 3 変更。「そして必要とされる機能性の定義が開発されている」がなくなりました。
SP 3.2 変更。「品質属性」が追加されました。
SP 3.5 変更。「利用者」が「最終利用者」になりました。
要件管理(REQM)
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固有ゴールに実質的な変更なし。
SP 1.5 変更。不整合を見つけることよりも整合させることに焦点を合わせた記述になりました。
リスク管理(RSKM)
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固有ゴールに実質的な変更なし。
SP 3.1 変更。リスク管理戦略とリスク軽減計画の結びつきを明確にしたそうです。
供給者合意管理(SAM)
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固有ゴールに実質的な変更なし。
SP 1.3 変更。「正式な合意」が「供給者合意」になりました。
SP 2.2 とSP 2.3 がSP 2.1 のサブプラクティスに降格。
SP 2.3 変更。「プロジェクトへ移行する」が「移行を確実にする」になりました。供給者から直接顧客へ納品される場合もありますから。
その他のプロセス領域は、固有ゴールと固有プラクティスに実質的な変更なしです。
第80号:CMMI Version 1.3 の主な変更点-ML2および3
2010年11月25日
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CMMI Version 1.3 の主な変更点-ML2および3