今年9月に CMMI For Development SCAMPI Class A Appraisal Results 2010 Mid-Year Update がリリースされました。
これは、2002年4月にSCAMPIバージョン1.1のリリース以降、2010年6月の間に実施され、SEIに報告があったアプレイザルの結果報告です。尚、掲載されているアプレイザル対象は、CMMI-DEVのみです。
内容は、大きく分けて
1.現況
2.世界の傾向
3.組織の傾向
となっています。
1.現況
今回のアプレイザル実施数、組織数などは、以下の通りとなりました。
※カッコ内は2009年9月までの数値
アプレイザル実施数: 6,126件(4,726件)
組織数: 4,909組織(3,906組織)
参加企業数: 3,857社(2,963社)
再評定組織数: 957組織(662組織)
プロジェクト数: 34,291プロジェクト(25,013プロジェクト)
アメリカ以外の組織の割合:75.3%(72.9%)
では、どのレベルでアプレイザルが実施されているのでしょうか?
その結果、
レベル3:55.3%
レベル2:27.5%
レベル5:7.3%
半数強のアプレイザルがレベル3で実施されています。この結果にはCMMIモデルバージョン1.1に基づいたアプレイザルも含まれています。バージョン1.2のみのアプレイザル結果を見ると、上記のランキングは同じであるものの、レベル3については63.9%となりました。
産業別にみてみましょう。サービス業が72.1%、製造業は15.7%となっています。
組織の規模をみると、以下の通りとなりました。
100名以下 :60.2%
101名~200名:17.3%
201名以上 :22.6%
それぞれの規模で達成の多かったレベルをみると、上記の区分ではいずれもレベル3が多いものの、25名以下の組織では、レベル2を達成しているところが多いことが分かりました。
2.世界の傾向
アプレイザルを実施し、かつSEIに報告があった国は、新たにマケドニアとパラグアイの2カ国が増え、71カ国となりました。
国別にみてみましょう。上位5件は以下の国々で、2009年12月の報告から順位の変動はありませんでした。
1位 アメリカ: 1,719件
2位 中国: 1,475件
3位 インド: 576件
4位 日本: 324件
5位 スペイン 198件
ランク外ではありますが、ブラジル(8位)、台湾(9位)、メキシコ(11位)、エジプト(16位)、チリ、コロンビア(ともに18位)もアプレイザル報告数が急激に増えています。
では、高成熟度レベル(レベル4および5)の報告数をみてみましょう。
その結果、以下の通りとなりました。
1位 インド: 222件
2位 アメリカ: 172件
3位 中国: 95件
4位 日本: 33件
5位 韓国 27件(※全体第7位)
全体でランクインしていたスペインは10位(8件)でした。
ちなみに、6位はアプレイザル報告数が急激に増えているブラジルとメキシコ(ともに12件)、コロンビアはスペインと同じく10位、台湾、エジプトは16位(5件)、チリは25位(2件)となっています。
3.組織の傾向
最初にアプレイザルを実施した成熟度レベルと、直近実施したアプレイザルの成熟度レベルをみてみると、初めてのアプレイザルではレベル2を、直近に行ったアプレイザルではレベル3で実施した組織が多いことが分かりました。
では、各レベルの達成までにどれくらいの期間を要するのでしょうか?
その結果、以下の通りとなりました。
※カッコ内は2010年4月までの数値
レベル1から2: 5ヶ月(4.5ヶ月)
レベル2から3: 19ヶ月( 19ヶ月)
レベル3から4: 25ヶ月( 24ヶ月)
レベル3から5: 23ヶ月( 19ヶ月)
2010年4月では、レベル3から5の達成に1年半強かかる結果でしたが、今回は2年近くかかる結果となりました。
より詳細な内容をみたいという方は、以下のサイトにアクセスしてみて下さい。過去のアプレイザルの報告結果も掲載されています。
http://www.sei.cmu.edu/cmmi/casestudies/profiles/cmmi.cfm
第73号:Maturity Profile update
2010年09月25日
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Maturity Profile update