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第26号:5つの成熟度レベル

2006年05月25日

  • 015つの成熟度レベル

    まいどですぅ。CMMやCMMIの理解をより深めていただくために、私CMMセミナー担当の西田理恵子が、プロセス改善活動家なら必ず押さえておきたい情報を簡単に説明していきます。

    では今月は、5つの成熟度レベルについて。

    CMMI の段階表現の成熟度レベルは5段階あります。それぞれのレベルの特徴は下記のとおりです。

    ●レベル1(Initial)

    プロセスは場当たり的で、ときとして混沌としている場合がある。これらの組織の成功は、人々の能力や英雄的な存在に依存している。

    ●レベル2(Managed)

    組織のプロジェクトは、要件が管理され、プロセスが計画され、実施され、計測され、コントロールされることを確実にしている。

    ●レベル3(Defined)

    プロセスは、よく特徴づけられ、理解され、標準、手順、ツール、方法に記述されている。レベル2ではプロジェクトごとに、プロセス記述や手順が全く異なるかもしれないが、レベル3では、プロジェクトの標準やプロセス記述、手順は、組織の標準プロセスから特定のプロジェクトや他部署に合うように、テーラリングされている。

    ●レベル4(Quantitatively Managed)

    全般的なプロセスパフォーマンスに貢献するサブプロセスが選択されている。選択されたサブプロセスは、統計的に他の定量的技術を使用して、コントロールされている。

    ●レベル5(Optimizing)

    プロセスは定量的な理解に基づいて、継続的に改善されている。

    今月は以上です。
    では、さようなら。ダスビダーニャ。

  • 02プロセス改善活動に批判的な人達をほめてみる

    さてこのメルマガを読んでいる情報収集能力に長け、好奇心旺盛で、恐らくは容姿端麗な方々の多くは、社内のプロセス改善を推進する立場にあるのではないでしょうか。CMMIに限らず様々な事を勉強して、品質や生産性を向上するための方法を検討し、現場にそれを指導するといったこともご経験があるでしょう。

    その際にこんなことを言う人に会ってがっかりしたことはないですか?

    「そんなことをやって何の意味があるのか?」とか「時間の無駄だ」とか。

    もちろんそんな事を言う人を責めることもできますが、ここは一つこういった人達の良い所を考えてみましょう。

    1.細かいことにこだわらない

    プロジェクトの状況把握は、メンバの「遅れているけど多分大丈夫です」とか「順調です」といったあいまいな報告のみで十分です。数値でどうこういうようなことは、みみっちいと思っているのでしょう。メンバが大騒ぎすれば対策を考えますが、誰も何も言い出さなければ何もしないという大らかさも持っています。

    2.勘がするどい

    見積もりに根拠など必要ありません。直感的に見積もりが出来てしまいます。細かく考えたり、過去のデータを参照することなど必要ありません。その結果がどうだったかということについては、前述1の良い所が発揮されるためか、あまり気にしません。この勘に対するプライドのためか「ソフトウェア工学」に基づいた理論を嫌う傾向があります。飛行機に乗る時に「航空力学」を元に作られたものと「職人の勘と経験」を元に作られたもののどちらを選ぶか聞いてみたいものです。

    3.人に説明するのが上手い

    色々な人に計画やプロセスを何度も説明するため、どんどん上手くなっていきます。説明する時の忙しさや思いつき、相手によって内容は多少変わっていきますが、より良いものになっていると信じています。プロジェクトメンバ間で認識のずれが発生してしまう点に難がありますが、文書化の手間を考えれば多少の犠牲は止むを得ないのでしょう。

    4.自分のやり方に自信を持っている 

    他の人が上手くやっていてもそれは、「プロジェクトが違うから」とか「たまたま上手くいったから」だというように慎重に解釈して、あくまで自分のスタイルをプライドを持って貫き通します。「他のプロジェクトには有効かもしれないが、自分のプロジェクトは特別だから関係無い」という風に、何故か自分の環境の特殊性を強調する論理性も持っています。しかし何故ちゃんとやらないかと追求されると「他の人もやっていないのに」と横並びをアピールするのは不思議なところです。

    まだまだいくつでも褒めるべき点はありますが、これ以上挙げても特定の人から反感を買いそうな気がしてきましたので、このあたりで。。

    こういった人達の良い所からは素直に学びつつ、お互いを高めていけるようにがんばっていきましょう。