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第27号:上位レベルの管理層と共に状況をレビューする話

2006年06月23日

  • 01上位レベルの管理層と共に状況をレビューする話

  • 今回は、「GP 2.10 上位レベルの管理層と共に状況をレビューする」についての話です。

    GP 2.10 プロセスの活動、状況、および結果を上位レベルの管理層と共にレビューし、課題を解決する。

    この共通プラクティスの目的は、上位レベルの管理層にプロセスへの適切な可視性を提供することです。

    上位レベルの管理層には、組織内でそのプロセスに対して責任のある直接レベルの管理層の上に位置するレベルの管理層が含まれます。特に、上位レベルの管理層には上級管理層が含まれます。

    CMMIのモデルは、第3章モデルの用語で『上級管理者』を定義しています。

    ● 上級管理者 (Senior Manager)

    CMMI モデルで使用される場合、『上級管理者』という用語は、組織内で十分に高いレベルの管理の役割を担う人を意味する。その役割を満たす人の主要な焦点は、短期的なプロジェクトおよび契約合意上の懸念事項や圧力への対応より、むしろ長期的な組織の活力に関わることである。上級管理者は、組織のプロセス改善の有効性を支援するために、資源の割り当てや再割り当てを指示する権限を持つ。
    組織の最高責任者も含め、この説明を満たしている管理者はすべて上級管理者と言える。『上級管理者』の類義語には『役員』、『最高管理者』などがあるが、CMMI モデルでは、首尾一貫性と有用性を確実なものにするために、これらの類義語は使用しない。


    このレビューは、プロセスに対して方針と全体的な指導を提供する管理者のためのレビューであり、プロセスの日常の監視および制御を直接的に実施する者のためのレビューではありません。

    このレビューの目的は、「GP 2.8 プロセスを監視し制御する」と同じものではなく、実装されたプロセスが組織のゴールを満たしているかどうかに焦点を合わせてください。

    これらのレビューは定期的なレビューおよびイベント発生を契機とするレビューの両方であることが期待されます。レビューの周期は、その組織によって定義すればよいのですが、組織的な問題に対処するのに十分な頻度で行わなければなりません。典型的なイベント発生を契機とするレビューは、ライフサイクルの主な段階の終了時に行われます。

    また、レビューは、必ずしもフェイス・トゥ・フェイスで行われる必要はありません。

  • 02CMMIのプロセス領域(成熟度レベル2)

    まいどですぅ。CMMやCMMIの理解をより深めていただくために、私CMMセミナー担当の西田理恵子が、プロセス改善活動家なら必ず押さえておきたい情報を簡単に説明していきます。

    では今月は、CMMIのプロセス領域(成熟度レベル2)について。

    成熟度レベル2のプロセス領域は7つあります。各プロセス領域の目的を示します。

    ●要件管理

    『要件管理』の目的は、プロジェクトの成果物の要件および成果物構成要素の要件を管理し、これらの要件と、プロジェクトの計画および作業成果物との間の不整合を特定することである。

    ●プロジェクト計画策定

    『プロジェクト計画策定』の目的は、プロジェクトの活動を定義する計画を確立し維持することである。

    ●プロジェクトの監視と制御

    『プロジェクトの監視と制御』の目的は、プロジェクト実績が計画から著しく逸脱する場合に適切な是正処置をとることができるように、プロジェクトの進捗に関する把握手段を提供することである。

    ●供給者合意管理

    『供給者合意管理』の目的は、正式な合意が存在している供給者からの成果物の調達を管理することである。

    ●測定と分析

    『測定と分析』の目的は、管理層の情報ニーズに応えるために使用される測定能力を開発し維持することである。

    ●プロセスと成果物の品質保証

    『プロセスと成果物の品質保証』の目的は、要員および管理層に対して、プロセスおよび関連する作業成果物の客観的見通しを提供することである。

    ●構成管理

    『構成管理』の目的は、構成の特定、構成制御、構成状況の記録と報告、および構成監査を行って、作業成果物の一貫性を確立し維持することである。


    今月は以上です。
    では、さようなら。アウフヴィダゼーエン。