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第162号:CMMI V2.0のFAQ

2017年09月25日

  • CMMI V2.0のFAQ

    CMMI V2.0に関する続報をお知らせします。

    CMMIの新バージョンであるCMMI V2.0の開発が着々と進んでおります。現在は、リリース3と呼ばれる、CMMI-DEV(開発のためのCMMI)に関するモデル構成要素の記述や、実装と移行に関するガイド、アプレイザル手法などのドラフト版の作成と、関係者によるレビューが完了した状態のようです。

    当メルマガ読者の中には、V2.0で何が変わるのか、そしてどう取り組んでいったら良いのかイチ早く知りたい、という方もいらっしゃることでしょう。しかし、一般に公開できる情報が現時点ではまだ限定されているため、レビュー用サイトのリンク先や詳細な情報についてお伝えすることは残念ながらできません。

    今回は、公開できる情報として現在展開されているFAQ(よくある質問に対する回答)の中から、CMMIユーザーに関係ありそうな情報をかいつまんでご紹介しましょう。 ※印は補足説明です(不確定情報含みます)。

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    Q) CMMI V2.0のリリース日は?

    A) 2017年末に開発が完了し、2018年1月にリリースされる予定です。

    Q) いつCMMI V1.3はサンセットを迎えるのか?(いつまで使えるのか?)

    A) CMMI V2.0がリリースされてから2年間(2019年12月末まで)です。
    ※英語圏以外の翻訳版を適用する国については、V1.3の時はサンセット時期が延長されましたので、今回も類似の措置がとられる可能性はあります。

    Q) CMMI V2.0のトレーニングはいつから受講可能になるのか?

    A) V2.0が公開される2018年1月から、CMMI入門コースやEラーニング形式のアップグレードトレーニングコースなどが受講可能になる見込みです。

    V2.0のアプレイザルにチームメンバとして参加するためには、アップグレードトレーニングを受講する必要があります。

    Q) 現行のV1.3とV2.0は何が違うのか?

    A) パフォーマンスを重視し、より使いやすく、より信頼できるモデルになるように、用語や構成を見直すなど、様々な変更を行っています。

    ※5月のメルマガで概要をまとめていますので、そちらをご参照ください。
    http://www.daiwa-computer.co.jp/jp/consulting/mailmagazine/mail_20170525.html

    Q) V2.0の翻訳版は何が利用可能になるのか?

    A) 初回リリース時は英語版のみですが、将来的には、簡体字中国語、スペイン語、フランス語、ブラジルのポルトガル語、日本語、韓国語などのリリースが予定されています。
    ※翻訳版がいつ発行されるかはまだ未発表です。
    ちなみにV1.3の時は、英語版が2010年11月、日本語翻訳版は2011年6月に発行されました。

    Q) 現在のV1.3のアプレイザル結果は、まだ3年間有効なのか?

    A) はい、CMMI V2.0のリリース前に評価した結果は、その時に通知された期限までは有効です。

    Q) CMMI V2.0がリリースされる前に、急いで現在のV1.3でアプレイザルを行うべきか?

    A) いいえ、CMMI V2.0は、移行コストを抑えながら、CMMI V1.3以上の改善と利点を提供することを目指しています。慌ててV1.3の評定をやってしまうと、これらの利点を逃すことになります。

    評定のサイクルを維持することは、組織の能力に関して社内外の利害関係者に大きな自信を与えます。より頻繁に評定を行うことで、リスク削減と機会獲得に適応・旋回していく組織の能力が強調されていきます。

    また、V2.0 Benchmark評定を行うことで、より軽量なSustainment評定を通じて成熟度を伸ばすことができます。これによりコストがさらに削減されます。

    ※アプレイザルの種類が以下のように変更になります。
    1.Benchmark :レベル判定を行うSCAMPI Aを置き換え
    2.Non-Benchmark:レベル判定を行わないSCAMPI B、C手法を統合
    3.Sustainment :レベル達成済み組織向けの維持のためのアプレイザル

    Q) V2.0のアプレイザルは何が変わるのか?

    A) V2.0のアプレイザルは以下が変わります。
    <ライフサイクルコストの削減>
    ・評価範囲の縮小
    ・サンプリング要件の軽減
    ・PIIDを積極的に使用しなくてもよい

    <高い信頼性>
    ・組織のコンテキスト、範囲、理解に重点を置く
    ・より多くのプロジェクトやチームが参加する
    ・CMMI研究所が対象を抽出することにより、潜在的な個々の偏見が減少する
    ・より長期的な利益の持続
    ・ビジネスと組織のパフォーマンスに重点を置く
    ・評定を頻繁に行うことで、より最新で信頼性の高い結果を得る

    Q) CMMI V2.0への移行は自分たちでできるのか、それともコンサルタントを雇う必要はあるか?

    A) CMMI V2.0の移行を支援するために、CMMI研究所はそのためのガイドを提供します。しかし、場合によってはCMMIパートナーの助言等が必要になるかもしれません。

    ※というわけで、CMMI V2.0の導入や移行でお困りのことがあれば、我々が力になれますので、お気軽にいつでもご相談ください。