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第156号:海外のカンファレンスに参加する際に英語力不足をカバーするための10の方法

2017年03月24日

  • 海外のカンファレンスに参加する際に英語力不足をカバーするための10の方法

    CMMI研究所主催のカンファレンスの開催時期が近づいてきました。今年はバージニア州アレクサンドリアで、5月16日と17日に開催されます。

    Capability Counts 2017
    http://cmmiinstitute.com/conferences

    最新のCMMIに関する情報やプロセス改善の研究事例の情報を収集したり、いろいろな国から参加している人たちと意見交換をしたり、海外から日本のSPIを客観的に見つめ直す良い機会になったりと、非常に有意義な会です。

    なので、リードアプレイザやインストラクタの方だけでなく、CMMIに関わるもっと多くの人が日本からも参加できると良いと思うのですが、「英語」がネックになって参加を躊躇している人もいることでしょう。

    実際、私も最初はそうでした。英語が分からないとたしかにしんどいものがありますが、受講の仕方をちょっと工夫することで、英語力不足をカバーしてセッションの内容の理解度と受講後の満足度を向上させることができます。

    今回は、私が海外のカンファレンスにここ10年参加してきて見えてきた受講時のコツのようなものを10個にまとめてみましたので、ご紹介したいと思います。

    ※英語力に自信のない方向けの内容です。
    ※Capability Countsの受講を想定して書いていますが、広めの会場で数百人が参加し、外国語で複数のセッションが同時並行で行われるようなカンファレンスやシンポジウムなら、類似のテクニックを使えると思います。

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    1.自分のニーズに合ったセッションを選ぶ
    何はともあれ、カンファレンスに参加する目的を果たす必要はありますので、事前に開催要項やスケジュール表を確認して、自分のニーズにあったテーマのセッションを選びます。この際、候補を多めに洗い出し、下記の2~4で受講するものを選出します。

    2.セッション数の多い枠を選ぶ
    Capability Countsのようなカンファレンスの場合、同じ時間帯に複数のセッションが同時進行で行われることがあります。その際、例えば2時間の枠の中で30~40分のセッションが3~4個連続する場合と、2時間枠いっぱいかけて1セッション行われる場合があります。
      
    後者の長時間行わえるセッションは個人的にはリスクが高いと感じています。
    内容が自分のニーズに合っていて理解しやすければ良いのですが、もし内容についていけなかったら2時間得るものがないまま終わってしまう可能性があります。その点、前者の短いセッションが複数行われるケースなら、自分の不足する英語力でも理解でき、何かしら得るものがある、いわゆる「当たり」のセッションに巡り合うことがあります。
      
    英語力に自信が持てない場合は、すべてのセッションのすべての内容を理解するのはある程度諦めて、数多く受講することで、理解できる内容を含む当たりのセッションを引き当てましょう。

    3.タイトルに数字の入ったセッションを選ぶ
    英語に苦手意識がある場合、構成がシンプルでわかりやすいセッションを受講したいところです。私は、なるべくタイトルに数字が入ったものを選ぶようにしています。具体的には「Top 10」とか「12 Secrets」といった文が入ったものです。
      
    いわゆるホールパート法で、その数字の分だけの主張が一文ずつ紹介される構成になるので、スライドを読めばある程度内容が理解できることが多く、後からも活用しやすいメリットがあります。

    4.聞きやすそうな発音の人のセッションを選ぶ
    英語のリスニングは、スピードや訛りで聞きやすさが結構変わりますので、理解度向上のためには、なるべく聞きやすそうな人のセッションを受講したいところです。受講するセッションを選ぶ時にスピーカーの名前にも着目して、早口または訛りがきつそうなことが予想される時は、受講候補から外すようにしています。
      
    5.事前にスライドを入手する
    最近はネット経由で事前にスライド資料が配布されることがあるので、その場合は何はともあれダウンロードして入手し、受講前に予習します。ざっと目を通すだけでも、受講するセッションを絞る目安になりますし、理解度もあがります。
      
    英語のスキル不足は、予習でカバーしましょう。

    6.すぐに翻訳できる環境下で受講する
    私は会場にノートPCを持参して、手元での資料参照とメモ作成を並行しながら受講しています。PCには翻訳ソフトをインストールしておき、不明な単語が出てきたら調べてメモを残すようにし、後から復習しやすくしています。
      
    英語のスキル不足は、リソースの強化でカバーしましょう。

    7.10分くらい前には着席する
    人気のセッションは満席で立ち見になることもあります。
    ノートPCでメモをする前提の場合は、なるべくPCを操作しやすい席を確保したいところなので、早めに着席しておく方が無難です。

    8.できるだけ前の方へ座る
    日本のカンファレンスではあまり見ないのですが、なぜか海外だと極端に文字が小さいスライドに出くわすことがあります。後ろの方の席にいると、ほとんど読めません。耳から入る情報を文字情報で補完したいのですが、それができないのはしんどいので、できるだけ前の方に座るのが無難です。
      
    それでも、やはり後ろの方の席しか空いてないこともあります。そんな時は望遠できる道具、例えばデジカメやスマホのカメラのズーム機能、オペラグラスなどを駆使すると良いでしょう。

    9.理解できている人に聞く
    1~8のコツを駆使して受講しても、自分一人では分からないところもやっぱり出てきます。そんな時は、一緒に同じセッションに参加した日本人をつかまえて、情報交換しましょう。同じ会社の上司が参加しているなら同様に相談しましょう。

    10.発表者に質問する
    いろいろご紹介してきましたが、ここまでは極力英語を使わないで理解度を高めるための小技にすぎません。やはり、内容で分からないところは、積極的に発表者に質問したり意見交換したりするのがベストですよね。質問することで自分の記憶にも定着しやすくもなりますし。
      
    発表中に手を挙げて質問するのは無理でも、終了後に会場に残っている発表者に聞きに行ったり、会場のどこかで見かけた時に声をかけたりするなどでもいいでしょう。
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    以上です。今回ご紹介したことは、こんなこと考えずにセッションの内容が理解できる方には不要の知識かもしれませんが、英語力に自信が持てない人の多少の参考になれば幸いです。