11月のメルマガにてCMMI V3.0の新情報をお届けしましたが、その後、リリース等に関する新情報がいくつか出てきましたのでご案内いたします。
●CMMI V3.0モデルのリリース時期
V3.0のモデルは、2023年4月6日リリース予定で準備が進められているとのことです。モデルの年間サブスクリプションを購入されている方は、オンラインビュアーのページがV3.0に対応されるので、そこからアクセスできるようになる見込です。PDF版(英語)もこの日から購入可能になると思われます。
●CMMI V3.0モデルの変更点とV3.0のプロジェクトHP
以前お伝えしたように、V3.0は新しいドメインの追加や成熟度レベルの合理化が主要なテーマで、既存のプラクティス領域にはあまり大きな変更は行われないとのことです。
また、ISACAはV3.0プロジェクトに関するホームページを近々立ち上げる予定だそうです。HPでは更新内容やFAQの参照、質問の提出などが行えるようですので、いち早く最新情報を知りたい方はISACAのHPを確認されるとよいでしょう。
●トレーニングや資格の取得経路見直し
V3.0関連のトレーニングや資格取得経路については、能力の評価方法確立や質の維持のため、関係者のフィードバックを集めて、この3~4月に諮問グループにて検討の後、7~9月頃に具体的に決定されてくるようです。
そのためのアンケートが、すべてのCMMIアソシエイトやリードアプレイザ等の有資格者向けに近々送られるそうなので、このメルマガが配信される頃には皆様のお手元に届いているかもしれません。良い機会ですので、トレーニングや試験について意見や要望がある方はアンケートに回答してみましょう。
●CMMI V3.0アプレイザルの開始時期とV2.Xの終了時期
V3.0アプレイザルの受付は2024年1~3月頃に開始され、現行のV2.Xのアプレイザルが終了するのは2024年6月頃と告知が出ております。
現在、V2.Xのアプレイザルを検討されている組織では、V3.0の対応をいつから考えないといけないか気になっている方もいらっしゃると思いますが、2024年5月まではV2.Xで実施可能ですので、今年V2.Xのアプレイザル実施を予定されている組織ではそのまま進めて大丈夫そうです。
2024年6月以降のアプレイザルを予定されている場合、V3.0への備えが必要になると思われますので、V3.0の情報を随時ご確認ください。
※これらはまだ検討中の情報であるため、変更される可能性はあります。
第228号:CMMI V3.0の新情報:リリース時期など
2023年03月24日
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01■CMMI V3.0の新情報:リリース時期など
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01AIに教えてもらうCMMI(Chat GPT編)
2018年に「AIに教えてもらうCMMI」というお遊び的なメルマガ記事を書きました。
https://www.daiwa-computer.co.jp/jp/consulting/mailmagazine/backnumber/977.html
この時は、当時流行し始めていたスマートスピーカーを購入して、CMMIやプロセス改善に関する無茶な質問を投げかけて、たいした回答は得られないことを確認しました。
あれから5年、AIはすさまじく進化し、ここ1年くらいはAI関連のニュースを見ない日はありません。
というわけで、話題のChat GPTを試してみようと思い、5年前と類似の質問を投げかけてみました。以下、Qが質問、AがChat GPTの回答出力結果です。回答は改行以外はほぼ未修正です。驚きの結果をご覧ください。
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Q)プロセス改善とは何か教えてください。
A)プロセス改善とは、ビジネスや製造業などの組織内で行われる、業務プロセスや作業手順を改良し、より効率的かつ効果的にすることを指します。
具体的には、生産ラインのレイアウト改善やスタッフのトレーニング、情報システムの更新、品質管理の見直し、コスト削減策の導入などが含まれます。プロセス改善は、組織のパフォーマンスを向上させ、効率性を高め、顧客満足度を向上させることが目的です。
プロセス改善には多くの手法がありますが、代表的なものには、リーンシックスシグマ、トータルクオリティマネジメント(TQM)、ビジネスプロセス再設計(BPR)などがあります。これらの手法は、組織に応じて適切なものを選択し、継続的な改善を行うことで、生産性や品質の向上、コストの削減、リスクの低減などの効果をもたらすことができます。
Q)CMMIをベースとしたプロセス改善活動はどのように進めたらよいですか?
A)CMMIをベースとしたプロセス改善活動を進めるためには、以下のようなステップがあります。
1.目的と範囲を定義する
まず、プロセス改善の目的と改善の範囲を明確にする必要があります。どのプロセス領域に焦点を当てるか、どの成熟度レベルに到達することを目指すかを定義し、改善の方向性を決めます。
2.現状の評価を実施する
改善の方向性を決めたら、現状のプロセスを評価する必要があります。自己評価を行うことで、組織の強みと課題を把握することができます。また、外部のアセッサーによる評価を受けることもできます。
3.改善計画を策定する
現状の評価をもとに、改善計画を策定します。改善のための目標を設定し、改善活動のスケジュール、担当者、リソースの配分などを決定します。改善計画は、プロジェクト計画やプロセス改善計画書などの形で作成することができます。
4.改善活動を実施する
改善計画をもとに、改善活動を実施します。改善活動には、プロセスの改善、トレーニングの実施、品質管理活動の改善などが含まれます。改善活動は、プロセスの改善だけでなく、文化や組織の変革にもつながることがあります。
5.改善の成果を評価する
改善活動を実施した後は、改善の成果を評価する必要があります。成果の評価には、自己評価やアセッサーによる評価などがあります。評価の結果をもとに、改善の継続や方向性の修正を行います。
以上のステップを経て、プロセス改善活動を実施することができます。改善過程で、組織の意識改革や文化変革が必要となることもありますが、改善の継続的な取り組みにより、より高い品質の製品やサービスを提供することができます。
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え、すごくないですか? Chat GPTはあたかも人間のようなもっともらしい回答をするのが特徴とウワサに聞いていましたが、想像以上で驚きました。日本語の質もかなり高いようです。Chat GPTの回答には誤りやウソも平然と含まれてくるとのことですが、少なくとも誤りらしい要素はほぼ見当たりません。また、その回答は誤ってますよと伝えると、それを学習して次からは正しい回答をしてくるという話も聞きました。
この質問をお客様からされたら私もおそらく同じような回答をしそうですが、この品質の文面を作成するのにそこそこ時間がかかるところを、Chat GPTはものの数秒で回答を出してしまいます。恐ろしい時代がきたものです。
これまで人間が行ってきた知的生産的労働も、これからはAIに取って代わっていく、少なくともAIを活用しながら仕事を進めていったほうがよい時代になってくるということでしょうね。来てるな、未来。