2015年に実施されたアプレイザルは1913件でした。
これは2014年と比べて17%増えております。
特に、アメリカ合衆国では28%の伸びを示しました。
ラテンアメリカでもアプレイザル数は増加しており、特にすごいのがメキシコで、27%の増加率です。
中国でのアプレイザル数も増加を続けており、2015は22%以上の伸びを示しました。
この5年間のアプレイザル数の全世界での推移は次のとおりです。
2011年 1353件
2012年 1439件
2013年 1544件
2014年 1634件
2015年 1913件
CMMIアプレイザルの数は年々増えていっております。
第143号:アプレイザル件数が新記録, 仕立てられていない服を着る
2016年02月25日
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01アプレイザル数が新記録
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02仕立てられていない服を着る
「テーラリングしていません。標準をそのまま使いました」
CMMIのアプレイザルのインタビューでプロジェクトマネージャに「組織のプロセスをどのようにテーラリングしましたか?」と聞くと、ときどきこういう答えが返ってくることがあります。
この発言はどうですか? 違和感ありませんか?
テーラリングとは、「特定の目的のために、何かを作成する、何かを変更する、または何かを適応させる行為」です。
プロジェクトでは、プロジェクトの目標や制約を満たすために、「組織の標準プロセス群の集合」を組織のテーラリング指針に従い、テーラリングして、プロジェクトの標準、プロセス記述、および手順を作ります。
組織の標準をテーラリングすることは、プロジェクト間のばらつきが低減され、プロセス資産、データ、および教訓を容易に共有できるというメリットがあります。
標準を変更することがテーラリングであり、変更しなければテーラリングでないと考える人もいると思いますが、モデルには次のような記述があります。
「テーラリングでは、標準プロセスに対していかなる変更も行わないことになるかもしれない。言い換えると、使用されるプロセスと標準プロセスは同じものである場合もある。標準プロセスを『そのまま』使用することも、修正が必要ないという選択をしたのであって、テーラリングである。」
組織の標準を変更することなく、そのまま使用することもテーラリングのひとつの形態のようです。
また、プロセスを省略することだけがテーラリングだと考える人もいるようですが、モデルではテーラリングの例として次のようなものがあげられています。
・ライフサイクルモデルの修正
・異なるライフサイクルモデルの要素の結合
・プロセス要素の修正
・プロセス要素の置き替え
・プロセス要素の順序変更
モデルの別のところには、次のような記述もあります。
「テーラリング基準およびテーラリング指針は、標準プロセスをテーラリングすることなく『そのまま』使用することを認めてもよい。」
これは、標準プロセスを『そのまま』使用することなく『そのまま』使用することを認めるようなテーラリング基準やテーラリング指針を作ってもいいという意味ではないと思います。
ここでは、標準をそのまま使用することはテーラリングではないようです。
テーラー(tailor)の意味は、名詞だと「仕立て屋」、動詞だと「服を仕立てる」等があります。
仕立てられていない服を着ることはできるでしょうか?
このようモデルには一貫性がありませんが、みなさんの組織のテーラリングはどんな感じでしょうか。
最後にクイズをひとつ。
「テーラリングしました。供給者合意管理(SAM)をしていません」
テーラリングという用語の使い方としてこれは適切でしょうか?