第67号：Maturity Profile update

今年9月に Process Maturity Profile CMMI For Development SCAMPI Class A Appraisal Results 2009 Mid-Year Update がアップデートされました。

これは、2002年4月のSCAMPIバージョン1.1のリリース以降、2009年6月までの間に実施され、SEIに報告があったアプレイザルの結果報告です。尚、掲載されているアプレイザル対象は、CMMI-DEVのみです。

内容は、大きく分けて
1.現況
2.世界の傾向
3.組織の傾向
となっています。

1.現況
SCAMPIバージョン1.1のリリース以降、2009年6月までの間においてアプレイザルが実施され、2009年7月までにSEIに報告された結果を見ると、アプレイザル実施数は以下の通り増加傾向であることが分かりました。カッコ内は2008年12月までの値です。

アプレイザル実施数：　4,726件（4,134件）
組織数：　　　　　　　3,906組織（3,446組織）
参加企業数：　　　　　2,963社（2,554社）
再評定組織数：　　　　662組織（564組織）
プロジェクト数：　　　25,013プロジェクト（21,141プロジェクト）
アメリカ以外の組織率：72.9%（71.4%）
　
では、どのレベルでアプレイザルが実施されているのでしょうか？　その結果、

１位　レベル3：51.2%
２位　レベル2：29.3%
３位　レベル5：8.7%

と、半数強がレベル3でアプレイザルを実施しています。尚、この結果はCMMIモデルバージョン1.1に基づいたアプレイザルも含まれています。バージョン1.2のみのアプレイザル結果を見ると、上記のランキングは同じであるものの、レベル3については61.1%の組織がアプレイザルを実施しています。

では、どういった組織がアプレイザルを実施しているのでしょうか？　その結果、

１位　商用や組織内：　　　　　　75.5%
２位　軍・政府系組織の取引先：　19.9%
３位　軍・政府系組織：　　　　　 4.6%

となりました。

アメリカとそれ以外の国の違いをみると、アメリカ以外の国については商用や組織内のアプレイザルが多く、軍・政府系組織の取引先や軍・政府系組織についてはアメリカが多いのが特徴的です。

産業別にみてみましょう。サービス業が70.1%、製造業は16.8%となっています。

アプレイザルを実施した組織の規模を見てみると、
１位　100名以下の組織：　 55.9%
２位　101名～200名の組織：18.9%
３位　201名以上の組織：　 25.2%

それぞれの規模でアプレイザルの多かったレベルを見ると、上記の区分ではいずれもレベル3が多いものの、25名以下の組織では、レベル2のアプレイザルが多いことが分かりました。

2.世界の傾向
アプレイザルを実施し、SEIに報告した国は、前回より変更はありませんでした。

大陸別にみてみると、アジアが最も多く2,218件、次いで北アメリカ1,528件、ヨーロッパ629件の順となっています。

では、国別にみてみましょう。上位５件は、

１位　アメリカ：　1,405件
２位　中国：　　　　946件
３位　インド：　　　460件
４位　日本：　　　　298件
５位　スペイン：　　155件

となっています。１～４位は前年と変わっていませんが、前年にランクインしていたフランスが僅差で第６位となりました（153件）。

SEIへの報告数は、初回アプレイザル数が453件、再アプレイザル数は127件でした。データをみると少ないようですが、数値はあくまでも半期分であること、また前年の同時期では初回アプレイザル数が319件、再アプレイザル数は93件とあることから、増加傾向にあるといえます。

3.組織の傾向
最初にアプレイザルを行った成熟度レベルと、直近行ったアプレイザルの成熟度レベルを見てみると、初めてのアプレイザルではレベル2を、直近に行ったアプレイザルではレベル3で行った組織が多いことが分かりました。

では、各レベルを達成するまでにどれくらいの期間を要するのでしょうか？　その結果、

レベル1から2：　 4ヶ月
レベル2から3：18.5ヶ月
レベル3から4：　19ヶ月
レベル4から5：　13ヶ月

であることがわかりました。

2009年3月の報告では、レベル2から3を達成するまでに要する期間は18ヶ月でしたが、今回の結果をみるとさらに半月ほど要する結果となりました。レベル3から4、レベル4から5については変化がありませんでした。

より詳細な内容をみたいという方は、以下のサイトにアクセスしてみて下さい。
過去のアプレイザルの報告結果も掲載されています。

http://www.sei.cmu.edu/cmmi/casestudies/profiles/cmmi.cfm