今回は、CMMI V3.0 で追加された、データ管理(DM)とデータ品質(DQ)という2つのプラクティス領域を紹介します。
CMMIは V3.0になってデータ管理成熟度モデル(DMM)のコンテンツが組み込まれました。
DMMは、組織が自らのデータ管理能力を構築、改善、測定し、組織全体で必要なときに正確なデータにアクセスできるようにサポートするためのベストプラクティスを提供する、データ管理のフレームワークです。
DMMは、5つのカテゴリ(データ管理戦略、データガバナンス、データ品質、データオペレーション、プラットフォームとアーキテクチャ)に分類された20のデータ管理プロセス領域と、5つの補助プロセス領域から構成されていました。
CMMI V3.0では、データの管理(MD)能力領域が追加されました。この新しい能力領域はデータ管理(DM)とデータ品質(DQ)という2つの新しいプラクティス領域から構成されます。
データ管理 (DM)とデータ品質(DQ)のプラクティスは下記のとおりです。
データ管理 (DM)
Level 1
DM 1.1 Identify data management objectives.(データ管理の目標を特定する。)
DM 1.2 Use metadata to manage data.(データを管理するためにメタデータを使用する。)
Level 2
DM 2.1 Develop, keep updated, and follow a data management approach that is aligned to objectives.(目標に整合させたデータ管理アプローチを作成し、最新に保ち、それに従う。)
DM 2.2 Establish a data management architecture to support the data management approach.(データ管理アプローチを支援するデータ管理アーキテク
チャを確立する。)
Level 3
DM 3.1 Establish and deploy an organizational data management capability.(組織のデータ管理能力を確立し展開する。)
DM 3.2 Perform reviews periodically on the effectiveness of the organization’s data management capability and take action on results.(組織のデータ管理能力の有効性について定期的にレビューを実施し、結果に対して処置を取る。)
データ品質 (DQ)
Level 1
DQ 1.1 Identify data quality parameters.(データ品質パラメータを特定する。)
DQ 1.2 Perform data cleansing activities.(データクレンジング活動を実施する。)
Level 2
DQ 2.1 Define criteria for data cleansing.(データクレンジングの基準を定義する。)
DQ 2.2 Develop, keep updated, and follow a data quality approach.(データ品質アプローチを作成し、最新に保ち、それに従う。)
DQ 2.3 Perform data cleansing based on criteria and data quality approach.(基準とデータ品質アプローチに基づいてデータクレンジングを実施す
る。)
Level 3
DQ 3.1 Conduct data quality assessments.(データ品質評価を実施する。)
DQ 3.2 Perform reviews periodically on the effectiveness of the organization’s data quality activities and take action on results.(組織のデータ品質活動の有効性について定期的にレビューを実施し、結果に対して処置を取る。)
第233号:データ管理(DM)とデータ品質(DQ)
2023年08月25日
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データ管理(DM)とデータ品質(DQ)