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第221号:内容領域専門家

2022年08月25日

  • 内容領域専門家

    ピアレビューは、CMMI V1.3では、同僚によって実施される作業成果物のレビューのことでした。

    CMMI V2.0では、類似したスキルを有する人員が実施する作業成果物の精査となり、すこし変わりました。

    ピアレビュープラクティス領域の意図には、「製作者の同僚または内容領域専門家によるレビューを通して、作業成果物における課題を特定し対処する」と記述されています。

    ピアレビューは同僚によるレビューだけでなく、同僚または内容領域専門家によるレビューとなりました。

    V2.0で新たに登場した内容領域専門家とは何でしょうか?

    Wikipediaでは、「内容領域専門家(ないようりょういきせんもんか、英:Subject Matter Expert、SME)とは、特定の領域またはトピックの情報に優れ、常人よりもその分野に対しての知識を多く有し、他の人々に専門的な知識を提供し設計と内容に矛盾が無いようチェックするインファレンス能力に優れている人物の事である」と記載されています。

    これを読んで自分のことだと思った人いますか?

    レビュー対象の作業成果物の内容に詳しい人物は、その作業成果物を作成した本人である。従ってピアレビューは、作業成果物を作成した本人が実施すればよいと思った人いますか?

    自分よりも上司のほうがその分野に対しての多くの知識と経験があり、内容に矛盾が無いようチェックするのがうまいので、上司こそがピアレビューすべき内容領域専門家であると思った人いますか?

    そもそも要件を出したのは顧客であるので、顧客のほうがその領域に詳しい。顧客こそが内容領域専門家として最適である。ピアレビューは顧客にやってもらおうと思った人いますか?

    同僚ではなく、作成した本人や上司や顧客が実施するレビューは、その人がスキルのある内容領域専門家であれば、ピアレビューだと思いますか?


    さて、モデルの追加のPA解説情報には「早期の段階で作業成果物から欠陥を取り除く」とか「客観的に検査し」とかいう記述もありますので、適切な内容領域専門家で効率的かつ効果的にピアレビューを実施してください。