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第220号:パフォーマンスレポートサマリーなどのCMMI関連の新情報

2022年07月25日

  • パフォーマンスレポートサマリーなどのCMMI関連の新情報

    CMMI関連の新情報をいくつかお伝えします。

    パフォーマンスレポートサマリー

    5月のメルマガでも少し触れましたが、パフォーマンスレポートサマリーの最新版がISACAサイトにて7月7日にリリースされました。

    CMMI Performance Report Slides
    https://tinyurl.com/2p99d83e

    上記URLからアクセスするか、ISACAサイトのアカウントダッシュボード上のQuick Linksの欄にあるCMMI Performance Report Slidesのリンクが今回の最新版に置き換わっているようですので、そこからダウンロードすることができます。

    以前のレポートは2019年のデータをもとにまとめられたものですが、今回の最新版は、2019年?2021年に実施されたアプレイザルのデータを元に作成されているようです。

    レポートは全27ページあり、エグゼクティブサマリー、目標の達成、目標のカテゴリ、カテゴリ別の結果、CMMIの利用状況、利用組織の規模別件数、業種別件数、国別件数などの情報が含まれます。

    レポートの内容をかいつまんでご紹介しましょう。
    ・主にインド、米国、中国、インド、メキシコ、スペインの組織にてアプレイザルが実施された

    ・組織の規模は、100FTE以下の組織が全体の88%を占め、50FTE以下がもっとも多く、500FTE超は3%程度。2019年版は100FTE以下は70%、500FTE超は17%だったので、世界的に小規模組織での適用が進んでいるようです。
    ※FTE=Full-Time Equivalent(フルタイム当量:業務量がフルタイム勤務の仕事に換算した場合に何人分に相当するかを表す尺度)

    ・4709件の組織より提出された16547件の目標を対象に分析が行われた。

    ・目標の達成率は81.25%で、3.48%は将来達成見込のため、見込も含めると約85%は目標達成という結果となった。

    ・目標のカテゴリーは、品質、生産性、コスト管理、スケジュール管理、プロセス遵守、顧客満足度、スタッフ開発(人材育成)、プロセスサイクルタイム、機能性などがあった。

    ・品質、生産性、コスト管理、スケジュール実績については、平均で以下のような改善が見られた。
    【品質】
     Defect Rate/Density(欠陥率/密度) 46%
     Delivered Product/Service Quality(成果物/サービス提供品質) 28%
     Defect Containment(欠陥封じ込め) 54%
    【生産性】
     Project Productivity(プロジェクト生産性) 27%
     Rework(手戻り) 18%
     Defect Removal Efficiency(欠陥除去効率) 17%
    【コスト管理】
     Effort Variance/Deviation(工数差異/偏差) 33%
     Cost Variance/Deviation(コスト差異/偏差) 18%
     Cost Control(コスト制御) 23%
    【スケジュール実績】
     Schedule Variance(スケジュール差異) 64%
     On Time Delivery(納期遵守) 22%

    以上です。文章だけだと伝わりにくいと思いますが、実際のレポートでは、豊富な表やグラフでデータを確認できます。CMMIの利用組織ではどんな目標を策定していて、実際どのくらいの効果が出ているのかを知りたい方は、ダウンロードして確認してみるといいでしょう。

    CMMI V3.0

    5月のメルマガにてCMMIモデルの新バージョンであるCMMI V2.3が2022年後半にリリースされるとお伝えしておりましたが、最新の情報によると、CMMI V3.0というバージョン番号で2022年10月?2023年3月の期間にリリースされるというニュースが入ってきました。

    内容は前回お伝えしたように、モデルにData Management、People Managementのサブドメイン追加、DevSecOpsのコンテキスト固有情報の追加が行われるほか、あわせて関連のシステムやMDD(評定手法定義書)、トレーニングや資格体系なども関係者の要望をもとに多数の改定が行われるようです。

    モデルの改定内容だけを見ると、V2.0→2.1→2.2で行われた改定と同様の変化のように見えますが、V2.3でなくV3.0とメジャーバージョンを上げるということは、結構インパクトがありそうなバージョンアップになる印象があります。

    詳細が分かり次第、随時皆様にも情報をお届けしていきます。

    アップグレードトレーニングが2022年末で終了

    直近で皆様に影響がありそうな要素が1点ありますのでお伝えします。

    CMMI V1.3を修了済みの人がV2.0以降のCMMIアプレイザルに参加するには、V2.0のアップグレードトレーニングを受講する必要があります。

    アップグレードトレーニングは、ISACAが提供するEラーニングを受講する方法と、弊社のようなISACAパートナー主催で講師が直接教えるコースを受講する方法の二通りがありましたが、実はEラーニング版は特にアナウンスもなく今年の3月にひっそりと終了しており、すでにISACAサイトからは受講できなくなっていることが最近判明しました。

    残る方法は講師が直接教えるコースの受講だけとなりますが、こちらも2022年12月末で終了となる、と先日発表がありました。

    来年以降、V2.0以降にアップグレードするには、1日のアップグレードトレーニングではなく、3日間のCMMI入門コース(FOC+BDE)を受講するか、2023年以降で改定が検討されているV3.0用のコースを受講する必要がありそうです。
    ※2023年のコース体系がどうなるかの詳細はまだ発表されておりませんので、詳しいことが分かり次第お知らせいたします。

    来年のコース体系がどうなるか未知数ですので、アップグレードを検討されている方は、今年中に受講するのが良いと思われます。

    弊社の次回のオープンコースは、10?12月のどこかで1回以上は開催できればと考えておりますので、予定が立ち次第、HPやメルマガでご案内いたします。
    ↓アップグレードトレーニングHP
    https://www.daiwa-computer.co.jp/jp/consulting/seminar/v2_0upgrade

    また、なるべく多くの希望者が受講できるよう、希望者の日程を調整して個別開催コースをセッティングすることも考えておりますので、ご希望の方は随時お問合せください。
    ↓セミナーお問い合わせ先:
    https://www.daiwa-computer.co.jp/jp/consulting/seminar/inquiries