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第6号:SEPG JAPAN 2004 レポート

2004年09月24日

  • SEPG JAPAN 2004 レポート

    2004年9月15日から3日間にわたり、ソフトウェアプロセス改善のカンファレンス、SEPG Japan 2004が、都市センターホテル(東京都千代田区)にて開催されました。昨年に続いて申込者が定員を超えたようなので、参加できなかった方もいるかもしれませんね。今回はその様子を簡単にレポートします。

    今年は、1日目がCMMIの活用についてのチュートリアル、2・3日目が29件の一般発表を中心として構成される本会議という構成でした。参加人数はチュートリアルが約80名、本会議が約400名と大規模なものです。

    一日目のチュートリアルは、今年の4月に公開されたCMMI日本語版の翻訳チームの方々からCMMIについて全く知らない人達向けという形で行われました。しかしCMMIの知識を持っている人が参加しても、十分に楽しめるものだったのではないかと思います。
    取上げられた内容は、大きく分けて下記のものがありました。
    ・CMMIによる改善活動
    ・CMMI翻訳の経緯
    ・CMMI基礎解説
    ・CMMIの読み方

    個人的に共感したのは、乘松氏によるモデルの活用のパターンについての説明です。これはCMMIを用いてプロセス改善をする際に、組織がどのような「モード」で取組んでいるかにより、特徴やメリットが異なってくるというものです。この「モード」は「モデルと問題解決のどちらを重視するか」、「改善の経験値が高いか低いか」に応じて変わってきます。私もCMMの公式コース等でプラクティスの解釈についてよく訪ねられるのですが適切な回答はその相手によって変わってくるということを常々感じていました。「審査でレベルXを達成するためには」という観点と、「その組織で有効なやり方として実装するためには」という観点では、自ずと答えは変わってきます。こういった点を「モード」としていくつかに分割して分かりやすく提示して頂いたことにより、私も説明がしやすくなりました。皆さんも自分達がどんな「モード」でプロセス改善にのぞんでいるのか、何が目的なのかをしっかりと自覚すれば、悩んだときの指針となるのではないでしょうか。

    このカンファレンスの発表資料はのうち可能なものは、後日JASPICさんのウェブサイト http://www.jaspic.jp に掲載される予定だそうなので、興味がある方はチェックされたら良いと思います。

    また来年の予定も既に発表されていて、2005年11月に品川で行われるそうです。
    自社のプロセス改善を担当されている方々は、こういった場に参加して「悩んでいるのは自分だけじゃないんだ」と感じることができるだけでも参加する価値があると思います(もちろん、具体的なヒントになる有益な情報まで手に入れることができるかもしれません)

    最後に、このような場を提供して頂いたカンファレンススタッフの方々や、貴重な経験やアイデアを発表して頂いた方々に感謝いたします。