以前にもCMMI V1.2についてのお知らせをしましたが、更にSEIからアナウンスがありましたので、新しく判明したことをお伝えします。
その前にCMMIのバージョンアップで影響を受けるものをおさらいします。
1.モデル:SEIのウェブサイトからダウンロードできるものですね。CMMI標準読本もそうです。
2.トレーニングコース:入門コースや中級コース等の、SEIが開発したトレーニングコースです。
3.SCAMPI:成熟度レベルや能力レベルを判定することができる、正式評定手法のことです。判定を行わないクラスBやCもあります。
1のモデルの中身については、以前お伝えした内容とあまり変わりません。
2のトレーニングコースについては、現在のバージョン1.1は2006年12月31日まで有効で、2007年からはバージョン1.2が正式版となります。ただしこれは英語版の話であり、日本語版の教材がそれまでに発表されるかどうかは現時点では分かりません。またバージョン1.1の受講者に対しては、費用や工数があまりかからないような形でのアップグレードトレーニングが行われるようですので、あえて新バージョンを待つ必要は無さそうです。
3のSCAMPIについては、2007年12月31日より後はバージョン1.2の評定手法でバージョン1.1のモデルに対する評定でないと結果を受け付けてもらえなくなります。ただ評定方法の変更点は細かい部分なので、皆さんにはあまり影響が無いと思います。
私が感じた一番の変更点は「アプレイザルの結果の有効期限を3年間とする」とSEIが明言したことです。元々SCAMPIは「アプレイザルタイミングでの組織の状態を測る」ものであり、その後状態が継続されているかどうかについては全く考慮していませんでした。この変更は恐らく、入札条件にアプレイザル結果を要求するケースでの制限をしようという考えだと思います。
http://seir.sei.cmu.edu/pars/ にアプレイザルの結果が掲載されていますが、アプレイザル終了日から3年たつと、ここから消されるようです。「もう達成しているから大丈夫」と思った方には残念ですが、既に掲載されている情報に関しても、3年経過するかバージョン1.2のリリース後一年経過するかで消されますので油断できません。
その代わりに終了から2年たったときに、SEIから「あと1年で有効期限が切れますよ。そろそろ次のSCAMPIの準備をしてはどうですか?」というお知らせが来るそうです。
3年というのはプロセスやそれを取り巻く環境が一変していることも考えられる時間ですので、この制限はなかなか良さそうだと思います。アプレイザルの時だけ形をつくるのではなく、継続的にプロセスを維持管理していくモチベーションにもなりますよね。
注:リリース時期および変更内容は現時点のものです。実際とは異なる可能性がございます。
第22号:続報:CMMI V1.2のリリースについて
2006年01月25日
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続報:CMMI V1.2のリリースについて