CMMI V2.0 になってアプレイザルでのサンプルプロジェクトがランダムに選ばれるようになりました。バイアスがかかりにくくなり客観性が向上します。
これでサンプルプロジェクト選びから解放される。社内政治の駆け引きや面倒くさい調整から解放される。自動的に決まって最高! なんて楽なんだと思った人います?
どのプロジェクトが選ばれるのかハラハラドキドキでーす。オレもー!という人が多いのではないでしょうか。
アプレイザル対象組織(英語ではOrganizational Unitと言います。以下、OU)にあるサンプルにふさわしいプロジェクトの数によって、プラクティス領域ごとにサンプリングされる最小インスタンス数が次のように決まります。
OUに1~10プロジェクトあれば、サンプル数は1です。
11~40プロジェクトの場合は、サンプル数は2です。
40~200プロジェクトの場合は、サンプル数は3です。
このあとは200プロジェクト追加するごとにサンプルプロジェクトは1つ増えます。例えば、合計1000プロジェクトの場合、最小インスタンス数は7になります。
OUのなかにプロジェクトはいくつあるのか? 人によって考えることはいろいろ異なるようです。
今年度に実施されたプロジェクト数だと考える人もいれば、会社が創業してから現在に至るまでに実施されたプロジェクト数だと考える人もいました。
サンプルにふさわしいプロジェクト(英語では、Sample Eligible projects。以下、サンプル適格プロジェクト)には、次のものが含まれます。
・活動中のプロジェクト
・始まったばかりのプロジェクト
・アプレイザルを実施する6ヶ月以内に終わったプロジェクト(ただし、これはいろいろ条件があります。記録が使えるとか、プロジェクト活動中とアプレイザル時点で組織構造、上級管理層、組織プロセスが同じであるとか)
厳密にいうとこれらに限定されません。実際にアプレイザルを行うときには担当のリードアプレイザと相談してください。
サンプル適格プロジェクトをCASに登録し(実際にはリードアプレイザがやりますが)、サンプルスコープが承認された後に、ランダムサンプル作成ボタンをクリックすると、サンプルプロジェクトが自動的に決まります。
始まったばかりで要件定義中のプロジェクトが技術ソリューションのサンプルプロジェクトに選ばれたらどうすんだ!と心配される方がいるかもしれませんが、そういうことは起こりませんので安心してください。
サンプリングを実施する前に、範囲外のプラクティス領域とまだ実施していないプラクティス領域をプロジェクトごとに指定しておくことで、実施していないプラクティス領域が選ばれないようになっています。
サンプリング結果は、もし気に入らなければチェンジすることもできます。
アプレイザルのときには、こんな感じでサンプル適格プロジェクトを出してください。
第209号:CMMIアプレイザルでサンプルにふさわしいプロジェクト
2021年08月25日
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CMMIアプレイザルでサンプルにふさわしいプロジェクト