皆様の組織ではCMMIは開発(Development)のみを対象に利用されていますか?
今回のメルマガでは、CMMIモデルを利用するにあたり開発以外の選択肢についてご紹介してみようと思います。
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CMMIはVer1.2やVer1.3の頃から、開発(DEV)以外にサービス(SVC)や取得(ACQ)というモデルが存在するのはご存知の方も多いと思います。
・DEVは、ソフトウェア開発やシステムエンジニアリング、ハードウェアエンジニアリングなどの成果物の開発のためのモデルです。
・SVCは、ITサービスやコンサルティング、トレーニング、ヘルプデスク等の無形のサービスに利用するモデルです。
・ACQは、自分たちで開発は行わず、製品やサービスを調達する組織のためのモデルです。
モデルはそれぞれ別の文書として定義されており、利用者は利用したいモデルを選択して使用する形式となっておりました。また、DEVは日本語化されましたが、SVCとACQは日本語化されず英語の原文しかなかったたため、DEVだけのユーザーは、SVCやACQは全く知らない、ということがよくありました。
CMMI V2.0になってから、DEV、SVC、ACQは一つのモデルへ統合され、DEVだけでなくSVCやACQの範囲も含めて日本語化され、利用者はビューというという形式で、自分たちの目標やニーズに合わせて必要な領域を取捨選択し、プロセス改善に利用できるようになりました。
事前定義されたモデルビューとして以下が利用可能となっています。
・CMMI開発(DEV:Develpment)
・CMMIサービス(SVC:Services)
・CMMI供給者管理(SPM:Supplier Management)
※V2.0ではACQはSPMと呼称が変わりました。
事前定義ビューは、目標とするレベルや要求事項に合わせて必要なプラクティス領域やプラクティスグループが設定されるようになっています。ほかにも、カスタマイズビューとして、DEVとSVCを組み合わせたり、希望のプラクティス領域を任意に組み合わせたりして利用することが可能です。
2021年3月にリリースされた最新のVer2.2モデルでは、セキュリティ(Security)や安全性(Safty)という領域が追加され、それらを組み合わせて利用することが可能になりました。ただ、当メルマガ執筆時点は、このビューに関する日本語化はされておらず、アプレイザルでの取り扱い方の詳細もまだ未定です。
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というわけで、CMMI V2.0では、DEV以外の領域も身近なものになり、利用者が取りうる選択肢が増えました。
この記事を読んでDEV以外のモデルにも興味を持たれた方が次に何に取り組むとよいかですが、オススメはCMMIサービス(SVC:Services)です。
モノよりもコトの時代となり、ソフトウェア開発は開発だけやって終わりではなく、保守や運用、その他のサービス提供までのライフサイクル全般を踏まえて実施することが組織の価値を高めるうえで重要になってきています。DEVだけでなくSVCの領域も合わせて見ることで、よりよいサービス改善につながることが期待できます。
もちろん、すでに保守・運用やITサービスの部分は、ISO/IEC 20000やITILなどの規格やフレームワークで改善を進めていて特に問題ないようならば、そのままでよいかと思います。もし、開発部分はCMMIモデルをベースに実施していてCMMIに馴染みがある組織ならば、SVCも合わせて導入することはそれほど違和感はないかと思われますので、導入を検討してみてもよいかと思います。
SVCをどのように学習していくかについては、幸いCMMI V2.0モデルはSVCの部分も含めて日本語化されていますので、独力で学習を進めやすい環境はあります。
ただ、自習でなくちゃんとしたセミナーで学習をしたい場合は、CMMI Instituteの公式コースとして、Building Service Excellence(BSE)というコースがありますので、それを受講するとよいでしょう。
https://cmmiinstitute.com/store/building-service-excellence
しかし、現在はSVCユーザーや講師も少ないことから、このコースを日本国内で受講できる場所はまだないのですが、弊社で過去にCMMI V2.0セミナーを受けた方からBSEコースを希望する声を少なからずありますので、近々BSEコースを開催することを企画中です。
具体化されたら当社HPやメルマガでご案内いたしますので、しばしお待ちください。
第210号:あなたの組織に合うCMMIモデルは何? – CMMI Serviceという選択 –
2021年09月24日
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あなたの組織に合うCMMIモデルは何? - CMMI Serviceという選択 -