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第206号:めざせ!CMMIアソシエイト試験合格:モデルの理解のポイント

2021年05月25日

  • めざせ!CMMIアソシエイト試験合格:モデルの理解のポイント

    このメルマガで何度か紹介しておりますが、CMMI V2.0の公式セミナーを受講すると、受講後30日以内にCMMIアソシエイト試験を受験することができます。

    CMMI V2.0のアプレイザルにチームメンバとして参加するためには、このアソシエイト試験に合格する必要があります。アプレイザルの信頼性向上が試験導入の目的の一つでもありますので、合格のハードルはそこそこ高く、単にセミナーを受講しただけでは試験に合格するのは難しいものとなっております。

    受験して惜しくも不合格になってしまった方からは、試験問題が英語なのが大変だったとの声も聞きますが、詳しく話を聞くと、CMMIモデルの理解が不足していたとの感想をよく聞きます。

    やはりこの試験を受けるうえで最も重要なのは「CMMIモデルの理解」なんだと思います。

    というわけで、今回はアソシエイト試験の合格のために押さえておきたいCMMIモデルのポイントを、想定サンプル問題を元にいくつかご紹介します。

    1.能力領域(CA)、プラクティス領域(PA)、プラクティスを押さえる

    問題文中のキーワードやプラクティスから、該当するCAやPAを答える問題がかなりの割合で出題されるようです。ですので事前の学習では、
    ・どのPAがどのCAに属するのか
    ・各PAに含まれる意図、価値、プラクティスが何かは最低限押さえておきたいところです。

    ●問題例1 (四択:1つを選択する)
    What Practice Area contains the practice identify training needs?
    トレーニングニーズを特定するプラクティスを含むPAはどれか?
     a.Risk and Opportunity Management (RSK)
     b.Managing Performance and Measurement (MPM)
     c.Monitor and Control (MC)
     d.Organizational Training (OT)

    実際の問題はこのように英文で出題されますので、CA名やPA名について日本語と英語の両方を押さえておくと良いでしょう。プラクティスも日英の両方把握できているとベターです。
     
    問題文をコピペして翻訳サイトで翻訳しながら試験を進めることは可能ですが、事前学習しておけば素早く回答していくのに役立つでしょう。
     
    CA、PA、プラクティスを記憶できていなくても、試験は関連資料を見ながら受験できますので、問題で問われているキーワードが特定できれば、あとはモデルのPDFから検索をかけると、だいたいの問題は解答を導けます。
     
    上記の例なら、training needsがキーワードなので、正解は dのOTとわかります。
     
    時々モデル上で使われている英単語と異なる単語に置き換えられて出題されるケースがあるようです。その場合は単純な検索では解答が探せず、単語の意味から答える必要がありますので、ご注意ください。

    2.モデルの構造を押さえる

    CAやPAのほか、ビュー(View)、区分(Category)、プラクティスグループ、必要情報(Required Information)、解説情報(Explanatory Information)、参考の要素(Informative Material)といった、モデルの構造に関することも押さえておきたいポイントです。

    もちろん公式セミナーでは構造やその意味合いについて学んでいきますが、自身でもモデルをよく読み込んで、違いを理解しておく必要があります。

    ●問題例2 (二択:True/Falseで答える)
    CMMIモデルは、実行、管理、支援、改善の4つのビューがある。
     
    正解はFalseです。これはビューではなく区分の説明です。ビューは、事前定義ビュー(開発、サービス、供給者管理等)や、エンドユーザーが選定したモデル構成要素の組合せを定義したものになります。

    ●問題例3 (複数選択:該当するものをすべて選ぶ)
    次のうち、参考の要素はどれか?
     a.意図
     b.プラクティス
     c.作業成果物の例
     d.用語集
     
    正解はc.作業成果物の例、d.用語集です。a.意図とb.プラクティスは参考の要素ではなく、必要情報です。
     
    モデルの構成要素には、必須とされる必要情報と、その他の参考の要素に分けられますが、CMMI V2.0の初期の学習者は、モデルの要素の中で何が必須で何がそうでないのか判別できてないことが多いようで、何人かの試験受験者に確認してみたところ、わりとこの手の問題を間違える傾向にありました。受験の際は気をつけましょう。

    3.CMMI V2.0モデルやプロセス改善の重要な考え方を押さえる

    モデルやプロセス改善のコンセプトや重要な考え方を押さえておきましょう。

    この手の問題は、モデルPDFを検索しただけでは答えを導きにくいので、事前学習としては、モデル前半の概要部分(第1部~4部)をよく読んでおきましょう。
    試験中に回答に迷ったら、自身の経験を当てはめて考えて「まあ普通はこれだよね」というのを答えていくのが良いかと思います。

    ●問題例4 (二択:True/Falseで答える)
    すべてのプラクティスは、それぞれ単一のプロセスを割り当てる必要がある。
     
    正解はFalseです。プラクティスは単一のプロセスが割り当てられるとは限りません。

    ●問題例5 (複数選択:該当するものをすべて選ぶ)
    プロセス改善の事業上の価値は以下のどれで評価できるか
     a.顧客クレーム削減
     b.コストの削減
     c.生産性の向上
     d.プロセスの遵守
     
    全部該当するのではと感じた人もいるかもしれませんが、正解はa~cです。
    dのプロセスの遵守は達成されても事業の価値に直接結びつかないかもしれません。CMMI V2.0はプロセスの遵守よりもPerformance(実績)の改善にフォーカスしている、というコンセプトを知っていれば答えやすいでしょう。

    ●問題例6 (二択:True/Falseで答える)
    統治(GOV)と実装のインフラ(II)は、他のすべてのPAに適用する必要がある。
     
    CMMI V2.0の重要な考え方の一つに、習慣と持続性の維持(SHP)があります。
    SHPの能力領域に含まれる統治(GOV)、実装のインフラ(II)は、CMMIのプラクティスではなく、組織やプロジェクトが開発し使用するプロセスに対して適用するという特徴がありますので注意しましょう。
     
    というわけで、この問題の正解はFalseです。

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    以上、試験の想定サンプル問題と共にCMMIモデルで押さえたいポイントをご紹介しました。

    今回は試験対策がテーマの記事ですが、CMMIモデルの理解が重要なのは何も試験に限ったことではなく、プロセス改善をするうえでも、アプレイザルにチームメンバとして参加するうえでも同じく重要です。CMMIモデルを使いこなしていくと、その価値をさらに感じられていくと思いますので、ぜひ皆様モデルの理解度を向上させていって、試験の合格および自身の活動にお役立てください。