今日もお仕事、学校、部活などなどお疲れ様でした。
さて、CMMI V2.0になって能力領域というものができました。
能力領域は、組織やプロジェクトのスキルや活動における実績の改善をもたらすことに関連するプラクティス領域のグループです。
能力領域を使えば、組織の事業ニーズにとって必要のあるところだけ改善に取り組むことができます。
たとえば、高品質な要件と成果物を開発したい場合は何をすればよいかとか、サプライチェーンのリスクを最小化したいときは何をすればよいかとか教えてくれます。
では、能力領域を簡単に紹介しましょう。
高品質な要件と成果物を開発し管理したい場合に取り組むべき能力領域は、「品質の確保」です。
この能力領域に含まれるプラクティス領域は次のとおりです。
・要件の開発と管理 (RDM)
・プロセス品質保証 (PQA)
・検証と妥当性確認 (VV)
・ピアレビュー (PR)
顧客の期待を満たすかそれを超える成果物を創出したい場合に取り組むべき能力領域は、「成果物のエンジニアリングと開発」です。
この能力領域に含まれるプラクティス領域は次のとおりです。
・技術ソリューション (TS)
・成果物統合 (PI)
優れたサービスを開発し提供したい場合に取り組むべき能力領域は、「サービスの提供と管理」です。
この能力領域に含まれるプラクティス領域は次のとおりです。
・サービス提供管理(SDM)
・戦略的サービス管理(STSM)
サプライチェーンのリスクを最小化したい場合に取り組むべき能力領域は、「供給者の選定と管理」です。
この能力領域に含まれるプラクティス領域は次のとおりです。
・供給者選定 (SSS)
・供給者合意管理(SAM)
市場投入までの時間を低減するためにスケジュールを最適化したい場合に取り組むべき能力領域は、「作業の計画と管理」です。
この能力領域に含まれるプラクティス領域は次のとおりです。
・見積もり (EST)
・計画 (PLAN)
・監視と制御 (MC)
混乱と機会を想定し適応したい場合に取り組むべき能力領域は、「事業レジリエンスの管理」です。
この能力領域に含まれるプラクティス領域は次のとおりです。
・リスクと機会の管理(RSK)
・インシデントの解決と予防(IRP)
・継続 (CONT)
トレーニングの有効性と人員の生産性を最大化したい場合に取り組むべき能力領域は、「人材の管理」です。
この能力領域に含まれるプラクティス領域は次のとおりです。
・組織トレーニング (OT)
ソリューションの一貫性を確保し利害関係者が納得して支持するようにしたい場合に取り組むべき能力領域は、「実施の支援」です。
この能力領域に含まれるプラクティス領域は次のとおりです。
・原因分析と解決(CAR)
・決定分析と解決(DAR)
・構成管理 (CM)
プロセスの効率と実績を維持したい場合に取り組むべき能力領域は、「習慣と持続性の維持」です。
この能力領域に含まれるプラクティス領域は次のとおりです。
・統治 (GOV)
・実装のインフラ(II)
事業ニーズと整合した実績目標を確立し、追跡し、測定したい場合に取り組むべき能力領域は、「実績の改善」です。
この能力領域に含まれるプラクティス領域は次のとおりです。
・プロセス管理 (PCM)
・プロセス資産開発(PAD)
・実績と測定の管理(MPM)
いかがでしょうか? プラクティス領域がかなり限定されますので、改善活動に取り組むためのハードルは随分下がるのではないでしょうか。
ひとつの能力領域の改善に取り組んで成果を確認できてから、次に優先度の高い能力領域に取り組むとよいと思います。
継続的に改善を続けることが重要ですので、焦らずにその組織のペースで着実に改善していくのがよいです。
各プラクティス領域の内容はCMMI V2.0を読んで確認してください。
能力成熟度モデル統合(CMMI) V2.0のPDFはこちらです。
https://tinyurl.com/yy8p7a33
無料の『モデル早わかり』の冊子はこちらです。
https://cmmiinstitute.com/cmmi-v2-0-model-at-a-glance-(japanese)
能力領域を使ってプロセスを改善し実績を向上させましょう。
第187号:能力領域を使って改善を始めよう
2019年10月25日
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能力領域を使って改善を始めよう