メルマガ
バックナンバー

第130号:CMMI Instituteの自己診断ツール, Action Plan Reappraisal (APR)

2015年01月25日

  • 01CMMI Instituteの自己診断ツール

    以前、当メルマガでもご紹介しておりましたが、CMMI Insituteによる自己診断ツールがリリースされたようです。

    2015年1月に出たプレスリリースにてアナウンスされています。
    ………………………………………………………………………………………………
    Is Your Company Capable? CMMI Institute Reveals 8 Factor Assessment for Business Success
    自社の能力を測る。CMMI Instituteがビジネス成功のための8つの要因評価を公表
    ………………………………………………………………………………………………
    http://tinyurl.com/lez4kg9 (英文)
    http://www.zaikei.co.jp/releases/221985/ (日本語)

    プレスリリースによると、組織が自社の現状の能力を迅速に把握するのに、重要な分野というものがあり、それが以下の「2015年にビジネスを強化する上で最も重要な8つの能力」だそうです。

    1.製品の設計と開発(Product Engineering and Development):
     顧客のニーズを確実に理解して合意し、これらのニーズを満たすソリューションを設計・構築する。
    2.サービスの提供と管理(Service Delivery and Management):
     コストを管理すると同時に、顧客を満足させるサービスを定義し、確実に提供する。
    3.サプライヤの管理(Supplier Management):
     自社に必要なものが得られるよう効果的にサプライヤを選択し管理する。
    4.人材の管理(People Management):
     主要なビジネス目標を達成するためにスキルを育成し、チームを構築し、業績を管理し、人員を構成する。
    5.データの管理(Data Management):
     企業のニーズに合ったデータ慣行を確保できるよう、データを統括し、データ品質を向上させ、主要指標を監視する。
    6.プロジェクトおよび作業の管理(Project and Work Management):
     作業の計画を立てて監視するとともにリスクを管理して、顧客のニーズを満たしビジネス目標を達成する。
    7.プロセスの管理(Process Management):
     ビジネス目標をサポートするプロセスを定義・改善し、これらのプロセスに従って職務を遂行できるよう人員を訓練する。
    8.支持基盤(Supporting Infrastructure):
     効果的な決定を行い、品質を管理し、ビジネスにおいて最も重要な要素を評価する。

    CMMIモデル等に詳しい方ならピンときたかもしれませんが、これらはCMMI-DEV、CMMI-SVC、CMMI-ACQ、People CMM、DMMと関連しています。

    自己診断ツールは、オンライン上で上記の8つの切り口に関する31個の質問に答えていくことで、改善すべき領域がどこにあるかのレポートをまとめてくれます。

    【自己診断ツール】
    http://whatis.cmmiinstitute.com/assess-your-organizations-capability


    早速、実際にやってみました。

    最初に名前、メールアドレス、パスワードを登録します。

    全部で31個の質問が順に画面に表示され、それぞれについて自己評価でグレードをつけていきます。
    例えば、「私の組織は標準的な計画プロセスを持っている」といった質問が出題されるので、
     Strongly agree
     Somewhat agree
     Somewhat disagree
     Strongly disagree
    のいずれかを選択して回答します。

    すべて終わると、結果をレポートにまとめて出力してくれます。
    上記の8つの分野ごとの達成度合い(パーセンテージ)と、各分野と関連のあるモデルの紹介、活動を実施することで何ができるようになるかの解説が記載されています。

    自己診断ツールの実施は無料です。より深いチェックをVirtual CMMI Advisorに依頼することもできるようですが、これは有料のようです。

    自己診断をひと通り実施するのに、小一時間ほどかかりました。
    ツールは英語のみですので、多少英語が読める必要はありますが、CMMIモデルに書かれているような簡潔な英文ですので、比較的読みやすいかと思います。

    質問は、CMMI-DEV以外にも、CMMI-SVC、CMMI-ACQ、People CMM、DMMの切り口の質問がまんべんなく出題されます。
    CMMI-DEVは慣れていても他のモデルを知らない人は、新鮮な気分になれると思います。

    興味のある方はチャレンジしてみてはいかがでしょうか?

  • 02Action Plan Reappraisal (APR)

    Pat O'Tooleさんのメールによると、Action Plan Reappraisal(APR)の使用が、2015年1月に公式に認可されたとのこと。

    APRとは、SCAMPI Aアプレイザルを実施したがゴールの一部が達成できなかった組織が、その後4ヶ月以内に、未達成だった部分の修正と再評価を実施することが許される再アプレイザルの仕組みのことです。

    これは以前「Delta appraisal」と呼ばれていたもので、ルール上は禁止されていました。

    APRが認可されたことで、SCAMPI Aアプレイザルに付き物のレベル未達成のプレッシャーが多少緩和されるのと、イチからアプレイザルをやり直すコストが削減できるというメリットが出てくるだろうと思われます。

    詳細が分かり次第、また当メルマガ等でもご紹介していきたいと思います。