CMMIに「成果物統合の戦略を確立し保守する」や「リスク管理戦略を確立する」
というプラクティスがありますが、戦略というものが何なのかわからないという声をたまに聞きます。
戦略とは何でしょうか。ウィキペディアには、次のように定義されています。
「戦略(せんりゃく、英: Strategy)は、一般的には特定の目標を達成するために、長期的視野と複合思考で力や資源を総合的に運用する技術・科学である」
戦略とは技術・科学だと言われても困ります。読み進めていきます。
「英語の strategy とは『特定の目的に対する枠組みや方向性』を指すので、厳密な訳は『方策』が正しい。『戦争における術や策を指す』戦略の厳密な英語の訳は military strategy となり、日本語の戦略が含意する攻撃・攻略対象などの敵対者の存在は前提とはなっていない。strategy で前提となっているのはあくまでも目的の存在である。」
どうやら strategy と戦略は別ものらしいです。
戦略といわれてシステムソフトの大戦略を思い浮かべた人、残念です。
日本語では、成果物統合の戦略、リスク管理戦略と言っていますが、もともとは、product integration strategy、risk management strategyです。
では、strategy とは何なのか調べてみましょう。
WIKIPEDIAには次のように定義されています。
「Strategy is a high level plan to achieve one or more goals under
conditions of uncertainty.」
念のために訳しておきますと、「戦略とは、不確実な条件下で、1つ以上のゴールを達成するための高レベルの計画である」だそうです。
これは、戦略は技術・科学だと言われるよりわかりやすいです。戦略は高レベルな計画なのです。
CMMIユーザには、30000フィートまたは 9144 メートル上空から見た計画と言ったほうがわかりやすいでしょうか。
また、CMMIは成果物統合の戦略やリスク管理戦略を次のように使用しています。
「成果物統合の戦略は、成果物を構成する成果物構成要素を受け取り、組み立て、そして評価するためのアプローチを記述する。」
「リスク管理戦略では、リスク管理プログラムを適用し制御するために使用される特定の処置および管理アプローチを取り上げる。」
用語集に、成果物統合の戦略やリスク管理戦略はありませんが、取得戦略ならあります。
「供給源、取得手法、要件仕様の種類、合意の種類、および関連する取得リスクの考慮事項に基づいて、成果物およびサービスを取得する具体的なアプローチのこと。」
どうやら戦略にはアプローチを書けばよいみたいです。「好きよ あなた 好きよ あなた 横顔に ほらアプローチ」のアプローチです。
まとめますと、戦略は高レベルの計画でアプローチを書けばよいということになります。
わかるようなわからないような感じかもしれませんが、わからないのは、戦略を考える責任がないからなのかもしれません。
その場合はもっと偉い人に戦略を考えてもらいましょう。
第108号:ほにゃらら戦略
2013年03月25日
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ほにゃらら戦略