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第106号:それ行けスマート

2013年01月25日

  • それ行けスマート

    プロセス改善は何のためにするのでしょう? 会社が儲けるため? お客さんのため? 開発者が楽するため?

    アプレイザルで成果物統合の組織方針がないと言われた。
    ないなら作りゃいいんだろってSEPGがCMMIを読んで成果物統合の組織方針を作った。
    これってプロセス改善? 何がよくなった? それで誰がうれしい?

    こんなことをしていたらそういう悩みがでてきてもおかしくありません。
    誰のためでもいいですが、そんなことに悩んでるようじゃだめです。プロセス改善の目標が不明確な証です。
    目標が設定されていてもよくわからない目標になっているのか、そもそも目標が設定されておらず何のためにやっているのか分からなくなっているのかもしれません。

    目標が定められていても「品質向上」とか「顧客満足度向上」とかでは、適切な目標とは言えません。曖昧すぎて何をしたいのかわかりません。
    人によって理解が異なるかもしれません。目標を達成したかどうかも判断できません。

    目標は、SMARTに定めましょう。SMARTとは、下記の単語の頭文字を取ったものです。

    ・Specific(具体的な)
    ・Measurable(測定できる)
    ・Attainable(達成できる)
    ・Relevant(関連がある)
    ・Time-bound(期限を定めた)

    AchievableとかRealisticとかTimelyとか、いろいろヴァリエーションがあるようですが、要するに目標を明確にしましょうということです。

    【Specific(具体的な)】
    その目標は具体的でしょうか? 品質向上という目標はぜんぜん具体的ではありません。
    例えば、納品後に発見される欠陥数を減らすとか、コードレビューでより多くの欠陥をみつけるとか。

    【Measurable(測定できる)】
    目標は測定できなければなりません。納品後の欠陥数を100件以下にするとか、10件以下とか、0件だとか。
    コードレビューで欠陥をKLOC当たり10件以上みつけるとか。

    【Attainable(達成できる)】
    達成できそうもない目標は意味がありません。
    現状では納品後にたくさんの欠陥が発見されるような組織で、いきなり欠陥数0件を目指すのは無謀です。
    がんばっても達成できないような目標は、やる気がしません。現実的な目標にしましょう。

    【Relevant(関連がある)】
    目標は本当にやりたいことに関連がありますか? その目標を達成したら何かうれしいことがありますか?

    【Time-bound(期限を定めた)】
    その目標はいつまでに達成するつもりですか? 期限が決まっていますか? 期限の決まっていない目標はいつまでたっても達成できないことが多いです。

    だいたいこんな感じです。さて皆さんのところの目標はどんな感じですか?
    上記の5つの観点でチェックして、なにかあやふやなところはないですか?