「メロンは見た目で収穫時期が分かるんじゃないの?」
そう思われる方もいらっしゃるかもしれません。
しかし実際は、それほど簡単ではありません。特に贈答用のメロンは、収穫のタイミングによって味や香り、食べ頃が大きく変わります。そのため生産者は毎日メロンの様子を見ながら、「今日がいいのか、もう少し待つのか」を考えています。
今回は、意外と知られていない「収穫のタイミング」の難しさについてご紹介します。
35 : 実は難しい「収穫のタイミング」
2026年10月06日
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早すぎても、遅すぎてもダメ
メロンの収穫は、「大きくなったから収穫」というわけではありません。
収穫が早すぎると甘さや香りが十分にのらず、本来のおいしさが引き出せません。反対に遅すぎると、食感や日持ちに影響が出ることもあります。
お客様に一番おいしい状態で味わっていただくためには、そのメロンにとって最適なタイミングを見極める必要があります。
言葉にすると簡単ですが、この“ちょうど良い頃合い”を見つけるのが、とても難しいのです。天候によって育ち方は変わる
メロンは生き物です。
収穫時期を判断する際は、まず交配からの日数を一つの目安にします。
しかし、メロンは同じ日に交配したとしても、その後の天候によって育ち方が変わります。晴れの日が続けば成長は進み、曇りや雨が多ければゆっくりになります。
そのため、交配日からの日数だけで収穫日を決めることはできません。果実の成長具合やその年の気温、生育状況を確認しながら判断しています。
また、長年の栽培経験の中で培われた積算温度の考え方も収穫時期を見極める際の参考にしています。
複数の情報を総合的に見ながら収穫日を決めるため、「去年はこの日に収穫したから、今年も同じ日」というわけにはいきません。
毎日ハウスを見回りながら、一番良い収穫日を探していきます。自然相手の仕事と言われる農業ですが、収穫のタイミングにもその難しさが表れています。一玉一玉、状態を見て判断する
メロンは一玉ごとに微妙な違いがあります。
果実の張り具合や色合い、ネットの盛り上がり方、つるや葉の状態などを見ながら、「そろそろかな」「もう少し先かな」と判断していきます。
また、私たちは見た目だけで収穫日を決めるのではなく、必要に応じて収穫前の試し割を行い糖度を確認します。
その時点の糖度だけを見るのではなく、その後の糖度の上昇も考慮しながら収穫日を検討しています。
さらに、交配からの日数や果実の状態などもあわせて確認し、複数の情報を組み合わせながら収穫時期を見極めています。
長くメロンを作っていると、言葉では説明しにくい感覚も身についてきます。
もちろん、その感覚だけに頼るのではなく、一玉一玉の状態を丁寧に確認しながら判断しています。
毎日向き合っているからこそ分かる小さな変化があります。その積み重ねが収穫の判断につながっています。「あと1日」が悩ましい
生産者にとって一番悩ましいのは、「今日収穫するか、それとも明日まで待つか」という判断です。
交配からの日数や果実の状態を確認していても、最後の判断は簡単ではありません。
あと1日待てば、もっと良くなるかもしれない。でも、その1日が長すぎる場合もある。
そんな悩みを繰り返しながら、収穫の日を決めています。
だからこそ、お客様から「甘くておいしかったよ」「また食べたいね」。
そんな言葉をいただけると、本当に嬉しく感じます。おわりに
収穫は栽培の最後の工程ですが、メロンのおいしさを左右する大切な仕事でもあります。
毎日メロンの様子を見守りながら、一番良いタイミングを探す。その積み重ねの先に、お客様へお届けする一玉があります。
店頭に並ぶメロンには、生産者の「今日が一番良い」という想いが込められています。
メロンを味わうときは、そんな収穫までの物語にも少しだけ思いを巡らせていただけたら嬉しいです。[F.M]

