D-column

#4:マスクメロンの網目について

2024年03月04日

  • 最近、日中は春の陽気でハウス内では汗をかくほど暖かくなっていますが、夜は冷え込むため、昼夜の温度差が大きく体調の管理が難しい時期です。
    また、天候も安定せず雨が続いたりする日もあり、植物の栽培も難しく、天候が安定する日が待ち遠しく感じます。

    私たちはガラス温室やビニールハウスの中でマスクメロン(アールス系メロン)を栽培しております。
    マスクメロンと言えば、果実表面の網目が特徴ですが、皆様は他の果物で網目があるものは何か思いつきますか?

    私は他の果物でマスクメロンのように網目があるものを考えた時、他には思いつきませんでした。
    同じウリ科のキュウリや、カボチャ、スイカなどでも網目は無く、メロンでも網目の無いものもあるので、
    網目のある果実は非常にめずらしいのではないかと考えています。

    今回はこの「網目」についてどのようにできるのかご紹介したいと考えています。
    皆様はメロンの網目はどのようにできるのかご存じでしょうか?

    ご存じの方もおられるかもしれませんが、あの網目は人間でいうところの「かさぶた」のようなものなのです。メロンの果実が小さい時は網目が無く、縞々の無い小さなスイカや、丸くトゲのないキュウリのような感じです。

    ←初期のメロンの写真です。

     

    そこから果実が大きくなると、皮が少しだけ割れてきます。
    その割れたところがかさぶたのように修復された際に、少し盛り上がり網目ができ始めます。

    傷が入っています。ここが網目になります。→

     

    肥大→割れる→修復→盛り上がる

    これを繰り返すことで、網目ができます。

    ←収穫前のメロンです。綺麗に網目ができました。

     

    網目が綺麗にできるとマスクメロンとしての品質が良いとされています。

    この網目は生産者、産地ごとに少しずつ違いがあると言われており、熟練の方は網目をみるどこの産地のものか分かると仰っている方もおられます。また同じ産地でも生産者ごとに網目の特徴が少しずつ違うと言われています。
    私はまだ網目を見るだけで産地や生産者さんが分かるようにはなっていないので、見分けられるようになれるために注意深く観察していこうと考えています。

    皆様のお近くのスーパーや青果店、百貨店に行かれた際に、メロンがを見て頂くと地域ごとの特徴がに気付かれるかもしれないので、チャレンジされてはいかがでしょうか。

    [S.O]