今年9月に CMMI for SCAMPI Class A Appraisal Results 2011 Mid-Year Update がリリースされました。
今回よりCMMIモデル、SCAMPIのバージョン1.2または1.3を用いてアプレイザルを実施した結果であり、この中には調達のためのCMMI、サービスのためのCMMIも含まれています。
尚、CMMIモデルバージョン1.1を用いたアプレイザル結果は含まれておりませんので前回よりも件数等が減っています。
内容は、大きく分けて以下の3つで構成されています。
1.現況
2.世界の傾向
3.組織の傾向
構成は特に変わっていませんが、前回まで公表していたデータがなくなっているものがあり、今回は全体で26ページです。
1.現況
2006年以降におけるアプレイザル実施数と組織数は、以下の通りとなりました。
アプレイザル実施数: 4,846件
組織数 : 4,220組織
では、アプレイザルを実施した結果、どのレベルの達成が多いのでしょうか?
その結果は以下の通りで、6割以上がレベル3を達成していることが分かりました。
※カッコ内は2011年3月までの数値
レベル5 : 5.1%( 7.0%)
レベル4 : 1.6%( 2.5%)
レベル3 :65.4%(56.9%)
レベル2 :23.4%(26.7%)
レベル1 : 0.5%( 0.7%)
レベルなし: 4.0%( 6.2%)
組織の規模をみると、以下の通りとなりました。
100名以下 :66.3%
101名~200名:15.1%
201名以上 :18.6%
組織の規模を細かくみてみると、前回までの結果では25名以下の組織はレベル2を達成しているところが多くありました。しかし、今回の結果では組織の規模にかかわらずレベル3を達成していることが分かりました。
また、300名以上の企業では、レベル3の次にレベル5を達成しているところが多いことも分かりました。
2.世界の傾向
今年3月までに SEIに報告があった国はヨルダンが新たに加わりましたが、べラルーシとドミニカがアプレイザルを実施していないため、73カ国となりました。
国別にみてみましょう。レベル1~5のアプレイザル実施数上位5カ国は以下の通りで、前回より新しくランクインした国はありませんでした。しかし、中国がアメリカを抜き、トップに出ました。また、残念ながら日本はスペインに抜かれ、5位になりました。
※カッコ内は前回順位の変動
1位 中国: 1,557件(↑)
2位 アメリカ: 1,119件(↓)
3位 インド: 462件(→)
4位 スペイン: 186件(↑)
5位 日本: 165件(↓)
では、高成熟度レベル(レベル4および5)の報告数をみてみましょう。その結果は以下の通りで、ここでも日本は1つランクを落とし、僅差で韓国に抜かれました。
1位 インド: 111件(→)
2位 中国: 78件(↑)
3位 アメリカ: 63件(↓)
4位 韓国: 14件(↑)
5位 日本 13件(↓)
3.組織の傾向
それでは、各レベルの達成までにどれくらいの期間を要するのでしょうか?
その結果、以下の通りとなりました。各値は中央値です。
※カッコ内は2011年3月までの報告数
レベル1から2: 5ヶ月( 5ヶ月)
レベル2から3: 19ヶ月( 20ヶ月)
レベル3から4: 21ヶ月( 28ヶ月)
レベル3から5: 25.5ヶ月( 28.5ヶ月)
レベル3から4に至るまでに要する期間が半年以上も減っていることが注目すべきポイントです。
より詳細な内容をみたいという方は、以下のサイトにアクセスしてみて下さい。
サービスのためのCMMIのアプレイザル結果も掲載されています。
http://www.sei.cmu.edu/cmmi/casestudies/profiles/pdfs/upload/
2011SeptCMMI-2.pdf
第91号:Maturity Profile update
2011年10月25日
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Maturity Profile update