今年3月に CMMI For Development SCAMPI Class A Appraisal Results 2010 End-Year Update がリリースされました。
これは、2002年以降、SEIに報告があったSCAMPI Aの結果報告です。掲載されているアプレイザル対象は、CMMI-DEVのみです。
内容は、大きく分けて以下の3つで構成されています。
1.現況
2.世界の傾向
3.組織の傾向
構成は特に変更はなかったものの、前回まで公表していたデータがなくなっているものがあり、今回は全体で27ページと若干少なめになっています。
1.現況
今回のアプレイザル実施数、組織数などは、以下の通りとなりました。
※カッコ内は2010年9月までの数値
アプレイザル実施数: 6,808件 (6,126件)
組織数: 5,346組織(4,909組織)
再評定組織数: 1,131組織(957組織)
では、どのレベルでアプレイザルが実施されているのでしょうか?
その結果、以下の通りとなりました。
レベル3:56.9%
レベル2:26.7%
レベル5: 7.0%
半数強のアプレイザルがレベル3で実施されています。この結果にはCMMIモデルバージョン1.1に基づいたアプレイザルも含まれています。バージョン1.2のみのアプレイザル結果を見ると、上記のランキングは同じであるものの、レベル3については64.8%となりました。
組織の規模をみると、以下の通りとなりました。
100名以下 :61.4%
101名~200名:16.9%
201名以上 :21.7%
それぞれの規模で達成の多かったレベルをみると、ほとんどがレベル3でした。しかし25名以下の組織では、レベル2を達成しているところが多いことが分かりました。
2.世界の傾向
昨年12月までにアプレイザルを実施し、かつ本年1月までにSEIに報告があった国は、ブルネイ、レバノン、そしてカタールの3カ国が増え、74カ国となりました。
国別にみてみましょう。上位5件は以下の国々で、2010年9月の報告から順位の変動はありませんでした。
1位 アメリカ: 1,871件
2位 中国: 1,729件
3位 インド: 630件
4位 日本: 346件
5位 スペイン 220件
前回の報告では、中国とインドの差は1,000件に届いていませんでしたが、今回は1,000件以上の差が開き、1位のアメリカとの差も近づきつつあります。また、SEIへの報告のうち、52%と半数以上がアメリカと中国によるものであるという結果となっています。
では、高成熟度レベル(レベル4および5)の報告数をみてみましょう。
その結果、以下の通りとなりました。
1位 インド: 241件
2位 アメリカ: 182件
3位 中国: 120件
4位 日本: 35件
5位 韓国 31件(※全体第6位)
全体でランクインしていたスペインは9位(10件)でした。2010年9月報告数からの増え幅をみると、1位は中国(25件)、2位インド(19件)、3位アメリカ(10件)、日本はブラジル、フィリピン、スペインと同位で5位(2件)でした。
3.組織の傾向
それでは、各レベルの達成までにどれくらいの期間を要するのでしょうか?
その結果、以下の通りとなりました。
※カッコ内は2010年9月報告数
レベル1から2: 5ヶ月( 5ヶ月)
レベル2から3: 20ヶ月( 19ヶ月)
レベル3から4: 28ヶ月( 25ヶ月)
レベル3から5: 28.5ヶ月( 23ヶ月)
過去のメルマガでもご紹介しております通り、昨年10月にCMMIモデルバージョン1.3が、本年3月にはSCAMPI MDDバージョン1.3がリリースされました。これに伴い、今後のMaturity Profileに報告されている順位や、レベル達成に要する期間の結果に変化があるかもしれません。
より詳細な内容をみたいという方は、以下のサイトにアクセスしてみて下さい。
過去のアプレイザルの報告結果も掲載されています。
http://www.sei.cmu.edu/cmmi/casestudies/profiles/cmmi.cfm
第85号:Maturity Profile update
2011年04月25日
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Maturity Profile update