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第84号:オレゴンからPI

2011年03月25日

  • オレゴンからPI

    このたびの大規模地震により被災されました皆さまに心よりお見舞い申し上げます。一日も早い復旧をお祈り申し上げます。

    いま私はオレゴンにいます。オレゴン州のポートランドにいます。

    オレゴンと言えば、ほらあなたにも聞こえてきたでしょ。さだまさしの歌声が。

    ♪あ~あ~ああ~ あ~あ~あ~あ~ああ~ あ~あ~あ~あ~ うううううう~

    『北の国から』じゃないですよ。『オレゴンから愛』ですよ。似てますが、間違えないでくださいよ。

    というわけでオレゴンと言えば『オレゴンから愛』ですが、なんかイメージと違います。風景が違う。

    水泳のために日本に残った宇沙美ゆかりがいないのはしかたがないにしても、ここには古谷一行も木の実ナナもいない。アブタイカとはどんな魚か誰もきいてこない。イメージと違う。

    ポートランドは、消費税ゼロの買物天国です。ゼロ! ゼロ! 消費税ゼロ!!でもダイコクドラッグはありません。超激安のワンダーランド、超激安の大海原となっておりません。舟歌を歌いだすしかありません。

    さて前置きはこの辺にしておきまして、なんでオレゴンにいるのかといいますと、両親を亡くし叔母夫婦にひきとられたからではなく、SEPG North America 2011 があるのでオレゴン州のポートランドに来ております。

    SEPGとは、CMMIの開発元であるSEIが主催するプロセス改善のカンファレンスです。いろいろな国からプロセス改善に関わる人達が集まり、研究成果を発表したり、意見交換を行ったり、親交を深めたりします。

    昨年11月にCMMI V1.3がでて、ついこのあいだSCAMPI V1.3がでましたので、今回のSEPGは、V1.3に関連した発表が多いです。

    SCAMPI V1.3ではいろいろと変わりました。ダイレクト/インダイレクト・アーティファクトがなくなったり、フォーカス/ノンフォーカス・プロジェクトがなくなったりしましたが、今回はサンプリングについて簡単に紹介しましょう。

    いままでのSCAMPIでは、サンプリングと言えば、組織を代表するプロジェクトを3つ選択するというぐらいなもんでしたが、V1.3ではサンプリングについてルールができました。

    組織のなかのプロジェクト(V1.3では、ベーシックユニットと呼びます)をサンプリングファクタを使ってサブグループに分けます。

    標準のサンプリングファクタは下記のとおりです。

    ・場所(例えば、国、市、サイト、配置場所)
    ・顧客
    ・規模
    ・組織の構造(例えば、組織図に表された部門)
    ・仕事の種類(例えば、システムインテグレーション、ソフトウェア開発、ITサポートサービス、ヘルプデスク)

    他に何かあれば、それも考慮します。

    サンプル数は下記の式で計算します。
    ………………………………………………………………………………………………
                  サブグループ   そのサブグループの
    あるサブグループから    の数     × ベーシックユニットの数
    選択されるベーシック = ──────────────────────
    ユニットの最小数          ベーシックユニットの合計

    ………………………………………………………………………………………………
    端数は四捨五入してください。1より小さい場合は1です。

    例えば、下記のような組織があったとします。

    a)ロサンゼルスで短期間の民間の大きなプロジェクトが2つ
    b)ロサンゼルスで短期間の民間の小さなプロジェクトが1つ
    c)ロザンゼルスで長期間の国防総省の大きなプロジェクトが4つ
    d)デイトンで長期間の国防総省の小さなプロジェクトが8つ

    サブグループが4つでベーシックユニットが15です。

    サブグループ毎に上述の式で計算すると、

    a) 4×2÷15=0.533
    b) 4×1÷15=0.267
    c) 4×4÷15=1.067
    d) 4×8÷15=2.133

    となって、各サブグループの必要なサンプル数は、(a)が1、(b)も1、(c)も1、(d)は2となります。

    詳細は、下記のページからダウンロードできるSCAMPI A, V1.3: MDDで確認してみてください。

    http://www.sei.cmu.edu/library/abstracts/reports/11hb001.cfm

    こんな感じでサンプリングします。あなたの組織では、SCAMPIの負荷は増えるでしょうか? または減るでしょうか?