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第36号:Saigon Shakes, Hanoi Rocks!! – CMMI入門コース in Vietnam

2007年03月23日

  • Saigon Shakes, Hanoi Rocks!! - CMMI入門コース in Vietnam

    皆さんは海外の企業とお仕事されることは多いでしょうか?ソフトウェア業界も数年前からインドや中国の企業に仕事を依頼することが特別珍しい話ではなくなってきました。最近ではその他の国に目を向けている所も増えてきています。そんな中、満を持してベトナムでSEI認定CMMI入門コースを実施してきました。しかもホーチミンとハノイの2都市開催です。

    イメージが無い人も多いかもしれませんので少し説明すると、ベトナムは南北に長い国で、ホーチミンは南、ハノイは北に位置しています。気候や雰囲気、人柄等に結構違いがあります。ホーチミンは30度近い気温で、活気に溢れていて、人柄もおおらかな感じです。ハノイは冬だということもあり気温10度ちょっと、天気がよくなかったことや町並みが古めなこともあり、ちょっと地味目な印象です。

    意外だったのは人々の時間に対する感覚です。何となくルーズだろうなと予想していたのですが、ホーチミンでは予定時間の10分前には全員揃っていて、大丈夫なんだと安心しました。しかしその期待はハノイでもろくも覆されました。開始時間になっても受講人数の半分も揃わなかったのです。。その代わりと言っては何ですが、受講生の理解度の高さはハノイの方が上だった気がします。

    社会主義国家ではあるのですが、滞在中にそれを強く感じたことはほとんどありませんでした(特にホーチミン)。空港を出た瞬間から人の多さ、特に若者の多さと彼らが乗っているバイクの数に誰もが圧倒されることは間違いありません。
    大規模なマラソン大会のスタート付近でみんながバイクにまたがっていることを想像してもらうと分かりやすいかもしれません。

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    コース実施までに想定していなかった様々な問題が発生し、受講者募集のお知らせが出せたのはかなり切羽詰まったタイミングだったのですが、にも関わらず定員25名に対してそれを遥かに上回る応募をいただきました。日本では結構ベテランの方が受講されることが多いのですが、今回は二十代の方々が大半だったと思います。しかし肩書きは副社長とかマネージャとかいう人が多かったので、役割としては日本と同じようなものかもしれません。

    受講希望がそれだけ多かった理由の一つには、IT技術者の社会的な位置付けの違いがあるのだと思います。ベトナムでは、高等教育を受けた人達が最も憧れる職種のうちの一つがソフトウェア等のIT技術者なのです。日本は最近失速気味な気がしますが・・・。

    受講者の方々と話をしてみると、「仕事の大半は日本からのものです」とか「日本に何年か住んでいました」という人が結構いました。彼らからすれば日本はまだまだ進んだ国で、何かを学ぶ先だという意識があるようです。日本国内ではCMMI(を含む様々なモデル)を利用して自社や関係会社の品質や生産性を向上しようという動きが活発です。そんな日本企業の期待に応えるためにも、モデルを学ばなければと思った人達が多かったようです。

    コース実施中は色々な質問が出て、しかもそれが的を射ているものが多かったことから、基礎的な能力の高さが伺えました。また議論好きな国民性なようで、コース中に何度か実施する演習では、グループの議論も発表に対する意見交換も(予定時間を大幅にオーバーする程)活発に行なわれました。ただ私は通訳経由で聞いているのでそれについていけず寂しい思いもしましたが。

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    仕事内容を聞いているとまだまだ下流工程が中心なようですが、これから先はどんどんと伸びていくのではないかという可能性を感じることができました。オフショアを始めていこうと考えている方がいれば、ベトナムも候補の一つとして考えてみてもいいと思います。コスト面でも期待できますし、何より人々の「やる気」が感じられます。

    また食事がとてもおいしいし、とても安いので長期滞在する時にも安心です。私は一週間アメリカにいるとうんざりしてくるのですが、今回2週間の間で日本食を食べたいと思うことはほとんどありませんでした。普通のレストランであれば、一人千円も出せば「もう無理」という程、食べて飲むことができます。

    弊社はベトナムにも子会社がありますので、興味がある方は声を掛けていただければコーディネイトできるかもしれません。私はすっかりベトナム好きになりました。仕事にかこつけてまた行きたいと思いますので、お気軽にご相談を。