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第29号:定義されたプロセスを確立する話, CMMIのプロセス領域(成熟度レベル3)

2006年08月25日

  • 01定義されたプロセスを確立する話

    今回は、「GP 3.1 定義されたプロセスを確立する」についての話です。

    GP 3.1 定義されたプロセスの記述を確立し維持する。

    この共通プラクティスの目的は、「組織の標準プロセスの集合」からテーラリングされたプロセスの記述を確立し維持することによって、固有の事例のニーズに対応することです。

    というわけで、組織には標準プロセスとテーラリング指針が必要です。

    CMMIモデルは、第3章モデルの用語で『組織の標準プロセスの集合』及び『テーラリング指針』を下記のとおり定義しています。

    ● 組織の標準プロセスの集合(Organization's Set of Standard Processes)

    『組織の標準プロセスの集合』には、組織内のすべての活動を導くプロセスの定義が含まれている。これらのプロセス記述では、基盤のプロセス要素 (およびその相互関係) を扱うが、これらは、組織横断的にプロジェクトで実装される定義されたプロセスに取り入れられる必要がある。標準プロセスによって、組織横断的に首尾一貫した開発活動と保守活動が可能になる。標準プロセスは長期の安定と改善のために必須である。
    「組織の標準プロセスの集合」には、「プロジェクトの定義されたプロセス」の一部となる基盤のプロセス要素が記述されている。また、これらのプロセス要素の関係(例えば、順位づけとインタフェースなど) も記述されている。

    ● テーラリング指針 (Tailoring Guidelines)

    プロセステーラリングとは、特定の目標に対応したプロセス記述の作成、変更、または適応である。例えば、プロジェクトでは、「組織の標準プロセスの集合」からテーラリングすることによって、「プロジェクトの定義されたプロセス」を確立して、プロジェクトの目標、制約、および環境を満たすようにする。
    CMMI モデルでは、『テーラリング指針』を使用することにより、組織が標準プロセスを個々のプロジェクトに適切に実装できるようにする。「組織の標準プロセスの集合」は一般的なレベルで記述されており、プロセスを実施する場合は、そのまま利用できるとは限らない。
    テーラリング指針は、プロジェクトのための定義されたプロセスの確立に役立つ。テーラリング指針では、(1) 標準プロセスの選択、(2) 承認されたライフサイクルモデルの選択、および (3) 選択された標準プロセスとライフサイクルモデルをプロジェクトのニーズに適合させるためのテーラリングを扱う。テーラリング指針は、変更可能なものとそうでないものを記述し、変更の候補となるプロセス構成要素を特定する。


    テーラリング指針を使用して、標準プロセスをテーラリングして、プロセス記述を作るというわけです。

    定義されたプロセスを使用すると、組織横断的なプロセスの実施方法におけるばらつきが低減されます。

    個々のプロセス記述はプロセス領域毎に作る必要はありません。複数のプロセス領域またはプロセス領域の一部をカバーするプロセス記述を作ってもかまいません。業務上のニーズに合わせて作ってください。

  • 02CMMIのプロセス領域(成熟度レベル3)

    まいどですぅ。CMMやCMMIの理解をより深めていただくために、私CMMセミナー担当の西田理恵子が、プロセス改善活動家なら必ず押さえておきたい情報を簡単に説明していきます。

    では今月は、CMMIのプロセス領域(成熟度レベル3)について。

    成熟度レベル3のプロセス領域は14個あります。各プロセス領域の目的を示します。

    ●組織トレーニング

    『組織トレーニング』の目的は、人員にスキルおよび知識を身につけさせることによって、人員が役割を効果的かつ効率的に遂行できるようにすることである。

    ●統合プロジェクト管理

    『統合プロジェクト管理』の目的は、「組織の標準プロセスの集合」からテーラリングされる、統合され定義されたプロセスに従って、プロジェクトおよび直接の利害関係者の関与を確立し管理することである。
    また、『統合成果物プロセス開発』においては、『統合プロジェクト管理』はプロジェクトの目標を成し遂げるために、プロジェクトにとっての共有ビジョンを確立することと、統合チーム群のチーム体系を確立することも扱う。

    ●リスク管理

    『リスク管理』の目的は、潜在的な問題が顕在化する前にその問題を特定することである。これにより、目標達成の妨げとなるような影響を軽減するために、成果物またはプロジェクトの全期間にわたって、必要に応じてリスク取り扱いの活動が計画され、開始される。

    ●統合チーム編成

    『統合チーム編成』の目的は、作業成果物開発のための統合チームを編成し維持することである。

    ●統合供給者管理

    『統合供給者管理』の目的は、プロジェクトの要件を満たすために使用されることのある成果物の供給源を、先を見越して特定すること、およびプロジェクトと供給者間の協力的な関係を維持しながら選定された供給者を管理することである。

    ●決定分析と解決

    『決定分析と解決』の目的は、特定された選択肢を確立された基準に照らして評価する正式評価プロセスを使用して、可能な決定を分析することである。

    ●統合のための組織環境

    『統合のための組織環境』の目的は、IPPD (Integrated Product and Process Development:『統合成果物プロセス開発』) インフラストラクチャを提供し、統合のために人員を管理することである。


    今月は以上です。
    では、さようなら。マッサラーマ。