「水曜どうでしょう」というテレビ番組を知っていますか?この番組では「車でヨーロッパの全ての国を巡る」とか「ベトナムを原付で縦断」といった企画をグチをこぼしながらこなしていきます。面白いのは出発するときに出演者が、今からどこに何をしにいくのかを知らされていないというところです。出演者の彼は叫びます。
「これから恐らく海外に行くであろうという情報だけをたよりに、どこに行くかも分からないで荷造りをしたことがあるか!!」と。
プロジェクトの計画も同じです。「このプロジェクトのゴールはどこにあるのか?」「どうなればプロジェクトが成功なのか?」がはっきりしていないと、満足のいく計画は立てられないでしょう。
プロジェクトのゴールは顧客の要件を満たす事であるという面もありますが、その要件はどこまで明確になっているでしょうか?顧客と自分達との認識はあっているのでしょうか?
もちろん顧客の要件を満たせばプロジェクトが成功なのかというと、そうでもありません。予定しているコストを超えないようにしなければならないでしょうし、そのプロジェクトを通じて参加メンバにある一定のスキルを身に付けさせることがゴールの1つだったりということもあります。
それらゴールが明確になることによって、そのために何が必要となるか、どういった気構えで望む必要があるのかが、明確になります。
また、「このプラクティスの実装方法はXXで十分でしょうか?」という質問を受けることがよくありますが、その時に考えていただきたい「ゴール」が2つあります。
一つは、CMMIモデルの「ゴール」です。しかも「共通」と「固有」の2種類があります。個別のプラクティスの実装方法のみを考えすぎて、この「ゴール」を忘れてしまっていませんか?悩んだ時は、この「ゴール」を落ち着いて読み直してみましょう。
またもう一つ考慮すべきゴールは「プロセス改善活動のゴール」でしょう。そこに品質や生産性の向上が含まれるのならば、それに作用するような実装方法を検討するべきでしょう。
「車でヨーロッパの全ての国を巡る」というシリーズでは、北欧も回るため北極圏にも突入するということを聞かされた彼はこう叫びました。
「俺、短パンしかもってきてないよ~!!」。
備えあれば患え無しとはよく言ったものですね。
第28号:ゴールが見えて初めて計画が立てられる
2006年07月25日
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01ゴールが見えて初めて計画が立てられる
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02SEPGカンファレンス2006の優秀プレゼンテーション公開中
毎年3月にSEIが開催しているSEPGカンファレンスが来年も行われるということは以前にもお伝えしました。詳細はhttp://www.sei.cmu.edu/sepg/2007/ にて参照できます。既にかなり前からなのかもしれませんが、このページに「2006 TOP PRESENTERS」と題して、今年の発表の中で参加者からの評価が高かったプレゼンテーションが公開されています(PDFでダウンロード可能)。
これらを見てみて何か参考になったという方は、来年3月のテキサスにも参加してみてはいかがでしょうか。直接話しを聞いたり質問したりできますよ。