SEPGはリソース不足で困っているようです。
やることがいっぱいあるそうです。
作成すべき標準プロセスやテンプレートがいっぱいあるそうで、それをリリースしたあとも標準の説明会とか改善状況の報告とかやることがいっぱいあるそうです。
でも十分なリソースがないそうです。
SEPGを専任でなく兼務でやっているので、開発プロジェクトが忙しくてなかなかSEPGのタスクのために時間がとれないところもあるようです。
リソース不足を嘆き悲しんでいても、問題は解決しませんので、アプローチを変えてみましょう。
CMMIには、統治というプラクティス領域があります。プロセス活動におけるスポンサーシップと統治の役割について上級管理層へ手引きを提供するためのプラクティス領域です。
そのなかのひとつ、GOV 2.2は、次のようなプラクティスです。
「上級管理層は、資源とトレーニングが提供されるようにして、期待されるプロセスを開発し、支援し、実施し、改善し、そして期待されるプロセスの遵守度を評価する。」
リソースは、これらの活動を実行するのに十分な質と量を備えている必要があります。 上級管理職は、プロセスを所有する個人、および記録されたプロジェクトまたは組織プロセスでプロセスの役割を実行することが特定された個人を特定し、適切なリソース、資金、およびトレーニングを提供しなければなりません。
リソース不足なのは上級管理職の責任でもあります。SEPGはリソース不足について上司に相談してみましょう。
改善が進まないのはお前が悪い、お前の責任だ、いますぐリソースを提供しろと言ってやりましょう。
でも、たぶん無理です。上司は簡単には承知してくれないでしょう。
ところで、SEPGの計画はありますか?
改善目標は明確ですか? どの程度改善するつもりですか? 改善目標を達成するためのタスクは明確ですか? いつまでに実施するつもりですか?
改善目標はSMARTに定めましょう。 SMARTとは、下記の単語の頭文字を取ったものです。
・Specific(具体的な)
・Measurable(測定できる)
・Attainable(達成できる)
・Relevant(関連がある)
・Time-bound(期限を定めた)
作成するプロセス資産の規模の見積もりはありますか? 工数の見積もりはありますか? そのために必要なリソースの見積もりはありますか?
兼務だからできないと言っているところは、その要員がSEPGの作業にいつ従事するのか明確になっていますか? 明確なスケジュールがなかったり、作業が適切なレベルまで具体的になっていなかったりしませんか。
リソースが足りないと嘆く前にSEPGの計画を見直してみましょう。改善が進まないのは、リソースの問題というより、計画が明確でないのが原因ということも多いです。
第225号:リソース不足のSEPG
2022年12月23日
-
リソース不足のSEPG