CMMIモデルはV2.0でプロセスのコンプライアンスモデルからビジネスパフォーマンスの改善モデルへシフトしました。
今年の7月に発表されたパフォーマンスレポートサマリーによりますと、報告された目標の81.3%は達成しており、未達成の18.7%については、3.5%がアプレイザル後に達成する見込みであるというデータが出ています。
CMMI は、組織にとって重要な分野を改善するのに役立つ多用途のツールです。
ビジネスパフォーマンス目標のすべてのカテゴリで、大幅なパフォーマンス向上の結果が示されました。
みなさまのところのパフォーマンスはいかがでしょうか? 目標は達成されましたでしょうか?
目標は、それぞれの組織自体によって設定されるものですが、よその組織ではどんな目標を立てているのか気になる人もいます。どんな目標を立てればよいのかよくわからない人もいるようです。
最近パフォーマンスレポートのフォーマットに変更がありまして、目標のカテゴリを入力するようになりました。
カテゴリは以下のなかから選択するようになってます。
・コスト管理(ソリューション、製品、またはサービスを開発し、提供するためのコストを管理すること)
・顧客満足(顧客が感じる価値)
・機能性(製品、ソリューション、またはサービスの運用の意図)
・組織の財務(収入と収益性の目標)
・プロセス(標準的な手順に基づいて行われる活動を示すもの)
・生産性(ソリューション、製品、またはサービスを提供するためのリソースの有効性の評価)
・品質(提供されたソリューション、製品、またはサービスが、欠陥パラメータの要件を満たすこと)
・安全性(危害の防止と管理)
・スケジュール管理(ソリューション、製品、またはサービスを開発し提供するための活動およびマイルストーンの管理)
・セキュリティ(セキュリティのニーズと脅威の体系的な特定、評価、管理、および解決)
・スタッフ育成(従業員の知識、技能、能力、およびソリューション、製品、サービスを提供するための準備態勢を示すもの)
・サプライヤ(サプライチェーン管理能力)
さらに各カテゴリは次のように下位にサブカテゴリを持ちます。
例)コスト管理
・コスト制御(見積もりまたは予算コストと比較した実際のコスト)
・コスト管理(組織にかかるコストの計画と管理)
・コストパフォーマンス(費用単位あたりの完成した作業量)
・コスト削減(実際のコスト削減の程度)
・コストの差異/偏差(計画されたコストに対する実際のコストの差の比率)
・工数の差異/偏差(プロジェクト内の各フェーズの計画と実際の工数の偏差)
・見積もり(アクティビティの見積もられたコスト)
サブカテゴリは全部で煩悩の数ぐらいあり、ここて紹介するのには多すぎるので割愛します。
また、パフォーマンスレポートには、「測定値または QPPO」欄も追加されました。測定値または QPPO は、ビジネス目標に関連する測定値または品質およびプロセス実績目標 (QPPO)をリストアップするために使用されます。
測定値 - ビジネス目標に関連する、値または状態を表す定量的なパラメータ。
例)
・コード行数あたりの不具合率
・ヘルプデスクチケットのクローズまでの時間
・顧客満足度
・スケジュール乖離率
QPPO - ソリューションの品質とプロセス実績に関する定量的な目標および実績要件。これらの目標には、関連データの統計的・定量的分析の利用が含まれます。
例)
・2024 年 6 月までに、プロジェクト要件変動指数をスプリントごと、またはリリースごと に 5%未満に維持する
・ピアレビュープロセスを最適化し、2025 年 6 月までにリリースごとの欠陥見逃し率を現在のベースラインより 10%低減する
・新しい要件と設計を修正するためのリワークコストをリリースごとに 10%削減する
・新しい要件と設計を修正するためのリワークサイクルタイムをリリースごとに10%削減する
・各最終システムテストリリース後の欠陥の総コストを 10%削減する
参考になりましたでしょうか。パフォーマンスを改善するための主要な推進力として、CMMIを使用してください。みなさまの組織のパフォーマンスが改善され、目標が達成されることをお祈り申し上げます。
第223号:目標のカテゴリ
2022年10月25日
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目標のカテゴリ