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第181号:システムズエンジニアリングハンドブック, Capability Counts 2019ご案内

2019年04月25日

  • システムズエンジニアリングハンドブック

    翻訳版がでるということで、なんだか私のまわりが出版前からざわざわしていました。

    この本です。

    『システムズエンジニアリングハンドブック 第4版』
    https://amzn.to/2X6SpBy

    INCOSE Systems Engineering Handbook, 4th Editionの翻訳版です。

    INCOSEというのは、「The International Council on Systems Engineering」の略称です。

    このハンドブックは、ISO/IEC/IEEE 15288:2015「システムおよびソフトウェア工学―システムライフサイクルプロセス」と「システム工学知識体系ガイド」(SEBoK) に整合しており、システムライフサイクルプロセスのアクティビティが詳細に記載されています。

    このメルマガの読者の多くは、システムエンジニアだと思います。

    Wikipediaにはシステムエンジニアについて下記の記載がありました。

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    学問領域・工学領域に「システムズ・エンジニアリング」というよく似た用語があるが、特に関係性はない。
    英語圏に「システムズ・エンジニア」と呼ばれる職域があるが、これは文字通りシステムズ・エンジニアリングに関わる技術者を指すものであり、日本のシステムエンジニアとは重ならない。システムエンジニアという用語自体が和製英語であり、日本で慣習的に使われているような用法は海外では基本的に通じないので注意が必要である。
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    そうだったのか、システムエンジニア!
    でも、きっと多くのシステムエンジニアにとってこの本は役立つことでしょう。

    Capability Counts 2019ご案内

    平成があと残りわずかで終わりますが、今となっては昭和が終わるときに何をしていたのかサッパリ思い出せません。
    平成終了を日本で感慨深く過ごしたいですか?
    平成といっしょにプロセス改善を終えてはいけません。
    継続することが大切です。今年もこの季節がやってきました。
    Capability Countsに行きましょう。

    Capability Counts 2019
    https://www.cmmiinstitute.com/capability-counts/2019/

    Capability Counts は、CMMI研究所が主催するCMMI関連のイベントです。
    毎年、さまざまな国からだいたい400人以上のCMMIを使ってプロセス改善をしている人たちやリードアプレイザやインストラクタやコンサルタント等が集まります。

    最新の市場動向、ベストプラクティス、および成功事例が発表されます。
    今年のプログラム・トラックは次のとおりです。
    ・CMMI: One Size DOES Fit All(CMMI:ワンサイズが全てに合う)
    ・Exploring CMMI V2.0(CMMI V2.0を探る)
    ・Improving Capability in the Medical Device Industry
     (医療機器業界における能力向上)
    ・Managing Your Data for Peak Performance
     (最高のパフォーマンスを引き出すためのデータ管理)
    ・Leveraging Tools for Greater Capability(能力向上のためのツールの活用)
    ・From Practice to Excellence(練習から優秀へ)
    ・Creative Approaches to CMMI Adoption
     (CMMI導入へのクリエイティブな取り組み)
    ・Business Performance with CMMI: The Bottom Line
     (CMMIによる業績:ボトムライン)
    ・Improving Quality with CMMI(CMMIによる品質向上)
    ・Building Resilience Through Greater Cybersecurity Capability
     (サイバーセキュリティ機能の強化による回復力の構築)

    https://www.cmmiinstitute.com/capability-counts/2019/program/day-1

    その中で、私が気になる発表はこれです。

    Mapping CMMI V2.0 to INCOSE Systems Engineering Handbook V4
    http://tinyurl.com/y2ucl87y

    CMMI V2.0モデルと上述のシステムズエンジニアリングハンドブックとの間のマッピングです。
    マッピングは、ハンドブックのシステムエンジニアリングプロセスの理解を助けてくれるでしょう。
    CMMIプラクティスとSEハンドブックのプロセスアクティビティとの間の共通点とギャップを特定してくれるそうです。

    Capability Counts 2019 は、4月30日から5月2日の期間で、アメリカ合衆国バージニア州レストンのハイアットリージェンシーで開催されます。
    ワシントン・ダレス国際空港(IAD)が近いです。
    IADからはシャトルバスが1時間ごとに出ています。

    IADと言えば、近くに、スミソニアン国立航空宇宙博物館スティーブン・F・ウドバーヘイジー・センターがあるので、早い時間についた人はレストンに行く前に
    寄るといいです。
    博物館にはコインロッカーがあるのでスーツケースを預けることができます。

    展示品は、SR-71ブラックバード、スペースシャトル・ディスカバリー、コンコルド、B-29エノラ・ゲイ、F-14トムキャット、F6Fヘルキャット、P-38ライトニ
    ング、紫電改、桜花、橘花など多数。
    ちょい古いがFloor Planはこちら↓
    https://airandspace.si.edu/sites/default/files/hazy-japanese.pdf

    おすすめは晴嵐です。
    晴嵐の何が凄いかって、晴嵐はフロートを外し翼を折りたたむと、伊号400型潜水艦に3機格納することができます。
    潜水艦を母艦とし目標に接近しカタパルトで射出します。
    晴嵐は、アメリカ本土やパナマ運河のような日本から数千キロ離れた重要な戦略目標を攻撃するために開発された攻撃機なのです。

    その当時、潜水艦のこのような使い方を思いついて実運用した国は日本だけです。
    伊号400型潜水艦の存在は終戦まで連合国に知られることはありませんでした。
    航空機と潜水艦の組み合わせによる世界に例を見ない構想に基づいて日本海軍が開発した特殊攻撃機を日本人にはぜひ見てほしい。
    念のために書いときますが、ウドバーヘイジー・センターにあるのは潜水艦でなく航空機のほうです。
    Capability Counts 2019に参加される方は、ぜひ見に行ってください。