CMMI V2.0のアプレイザルにチームメンバ(ATM)として参加するには、Associate試験に合格してCMMI Associate資格を獲得するのが一つの条件になります。
CMMI Associate試験は、以下の3種類のトレーニングのいずれかを受講すれば、一緒に受験資格が得られます。
(1) Foundations of Capabilityコース(2日間の講座形式)
(2) CMMI V2.0アップグレードトレーニング(1日間の講座形式)
(3) CMMI V2.0アップグレードトレーニング(Eラーニング版)
(1)は、現在のCMMI入門コースの一部に相当し、CMMI V2.0のコアとなる要素について学びます。
Developmentの評定にATMとして参加にするには、このコースと合わせてBuilding Development Excellence(BDE)という1日コースの受講も別途必要です。
アップグレードトレーニングは、CMMI V1.3の入門コース受講済みまたはアップグレード済みの方であれば誰でも受講できます。(2)のインストラクタが教える講座形式の1日コースと、(3)のEラーニングで一人で受講する形式が選択できます。
先日、私はEラーニング版のアップグレードトレーニングとCMMI Associate試験を実際に受験してみました。
Eラーニング版は、すでにCMMI研究所のサイトで申込み可能になっておりますが、まだ英語版しかないことと、どんな内容が分からないことから、受講を躊躇されている方も多くいらっしゃると思います。
そこで今回のメルマガでは、Eラーニング版のアップグレードトレーニングとCMMI Associate試験を、先日筆者が実際に受験して体験したことを元に、概要をご紹介したいと思います。
第180号:CMMI V2.0アップグレードトレーニングとCMMI Associate試験
2019年03月25日
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CMMI V2.0アップグレードトレーニングとCMMI Associate試験
CMMI V2.0アップグレードトレーニング(Eラーニング版)
Eラーニング版のアップグレードトレーニングを受講するには、まずはCMMI研究所のサイトの登録が必要です。
下記のサイトから登録処理を進めます。
https://cmmiinstitute.com/
登録が完了したら、トレーニングの申込用ページに移動し、購入処理を行います。
https://cmmiinstitute.com/store/cmmi-v2_0-upgrade-training
受講料は$600です。この価格には、CMMI V2.0モデルのオンラインビューアの30日間アクセス権と、CMMI Associate試験1回分の受験料が含まれています。
クレジットカードがデフォルトの決済方法となっています。
それ以外の決済処理で行うには、個別にCMMI研究所に問合せが必要です。
購入処理が完了すると、CMMI研究所のトレーニングサイト上で受講が可能になります。
インターネットが接続できる環境であれば、PC、タブレット、スマートフォンなどでどこでも受講が可能です。
コースのトピックは以下となっています。
Module 1: CMMI V2.0 Introduction and Overview
Module 2: CMMI V2.0 Product Suite
Module 3: Model Structure
Module 4: Model Content
Module 5: Performance and Capability
Module 6: Context Specific Content
Module 7: Terminology Changes
Module 8: Maturity and Capability Levels
Module 9: Next Steps
End of Course Survey
全部で約250枚ほどのスライドがあります。各スライドは、アニメーションムービーと音声で解説がありますので、結構見ごたえはあります。
ヘッドホンやスピーカーを用意して受講しましょう。
上記のメイン資料の他にも、CMMI V2.0モデル、V2.0の全体像を説明した資料、コースの目標や演習内容等が書かれたワークブック、Development以外の要素を説明した補足資料など、多くの関連資料が入手可能になりますので、一通り目を通したほうがよいでしょう。
各モジュールの終わりには、理解度を確認する演習問題が4~6問くらいずつ出題されます。
これらを全問正解しないと、先に進めないようになっています。全モジュール完了すれば、履修完了となります。
その他の留意点をまとめておきます。
・全体で4~6時間かかるとガイドされていますが、独学でしっかり理解しながら受講する場合、英語とCMMIの両方に詳しい人でないと、この時間で終了するのは難しいと思われます。倍くらいの時間を確保し、少しずつ進めていくのをオススメします。
・最大の注意点は、申込みから完了までの期間が30日間に設定されていることです。モデルのオンラインビューアのアクセス可能期間に合わせて、トレーニングやAssociate試験の受講可能期間も30日間に設定されています。したがって、忙しくて受講の時間がないという期間は避けて申込みを行うようにし、いったん申し込んだら、30日以内にトレーニングとAssociate試験の受験まで完了させるようにしてください。
・トレーニングの資料やモデルのPDFも、この30日以内にダウンロードしておくとよいです。CMMI Associate試験
CMMI Associate試験は、CMMI研究所のトレーニングサイト上で受験が可能です。
試験は全60問、制限時間180分、正答率80%(48問正解)で合格となります。
いったん試験を開始すると、途中でストップさせることが出来ませんので、受験中に割り込みが入らない環境を準備してから開始してください。
実際は、1問あたり1~2分でほとんど回答できると思われますので、1~2時間くらいで完了できるでしょう。
アップグレードトレーニング同様、インターネットが接続できる環境であれば、どこでも受講が可能です。
バッテリー切れにはご注意ください。
試験は、一人で誰とも相談せずに受験すること、とガイドされています。
ただし、Open Book Eaxmですので、テキストやノートを見ながら受験することは可能です。
受験時には、CMMI V2.0モデルのPDF、適用と移行ガイド、クイックリファレンス、トレーニング教材、その他のV2.0に関する参考資料やノートなどを参照できる状態でのぞむと良いでしょう。
試験問題は、二択、四択、複数選択の形式で出題され、CMMI V2.0のプラクティス領域や能力領域に関するもの、用語の意味を問うもの、構成要素に関するもの、アプレイザルに関するものなどが出題されます。
現時点では問題はすべて英語ですが、設問部分のテキストをコピー&ペーストできるので、翻訳サイトなどを使って日本語化することは可能です。英語に自信のない方でもなんとかなるでしょう。
万が一不合格だった場合は、60日間経過後から追試料250ドルを払えば、再受験は可能です。
では最後に、練習問題をやってみましょう。
四択です。皆さんはわかりますか?解答は最終行です。
(1)「タスクに人を割り当てる」というプラクティスが含まれるプラクティス領
域は以下のどれか。
a.Organizational Training (OT)
b.Planning (PLAN)
c.Estimating (EST)
d.Process Management (PCM)
(2) 原因分析と解決(CAR)を含む能力領域は以下のどれか。
a.Planning and Managing Work (PMW)
b.Engineering and Developing Products (EDP)
c.Supporting Implementation (SI)
d.Sustaining Habit and Persistence (SHP)
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以上です。受験を躊躇されていた方の参考になれば幸いです。
個人的には、CMMI Associate試験よりも、アップグレードトレーニングをEラーニングで受けるほうが、忍耐力を試されているようで大変に感じました。
一人で黙々と受講するのが苦手な方や、自分以外にも同一組織内に一緒にアップグレードする必要のある方がいらっしゃる組織の場合は、講座形式のトレーニングコースにて大勢の方と一緒に受講したほうが、リアルタイムで質疑応答も出来ますし、きめ細かいサポートもできますので、オススメではあります。
弊社でも、アップグレードトレーニングの講座の準備を着々と進めておりますので、受講を考えておられる方は、個別にお問合せください。
【練習問題の解答】 (1)b (2)c