アプレイザルが終わるとリードアプレイザはCMMI研究所にアプレイザルで作成したアプレイザル計画や最終所見等を提出します。
そしてCMMI研究所はクオリティレビューを実施します。
先日、あるアプレイザルで、ドキュメントレビューの時間が少ないとCMMI研究所から指摘を受けました。
そのアプレイザルでは、6時間半のドキュメントレビューを計画していました。
対象のプロセス領域は18個で、サンプルプロジェクトは4つです。
アプレイザルチームには11人いましたので、それぞれ1~2つのプロセス領域を担当しました。
6時間半で4つのプロジェクトの1~2つのプロセス領域レビューしたのですが、どう思いますか? 時間は不十分だと思いますか?
実際には十分な時間でしたので、その旨、レビューアに返信したところ、問題なくクォリティレビューをパスしました。
昨年の11月にドキュメントレビューについてのクォリティチップがリリースされています。
それによると、4つのプロジェクトを対象とした成熟度レベル3のアプレイザルでは、ドキュメントレビューに20~30時間かかる可能性があるそうです。
ドキュメントレビューに20~30時間も費やすのは多すぎると思いませんか?
世間でよく実施されているアプレイザルのオンサイト期間はだいたい5日です。
5日のうちの20~30時間(だいたい3~4日)もドキュメントレビューに費やすのはあまりにも多いと思いましたので、これは5人のアプレイザルチームメンバで並行してレビューすれば4~6時間という意味かと問い合わせたところ、そうではないそうです。
この20~30時間という時間には、ミニチーム(または個々のアプレイザルチームメンバ)が並行して作業することが考慮されておりました。
4つのプロジェクトを対象とした成熟度レベル3のアプレイザルでは、各チームが各プラクティスの成果物を適切にレビューし、その適合性と充足度を判断し、それらの成果物がモデルプラクティスの実装をどのようにサポートするかを判断するのに20時間以上かかる可能性があるとCMMI研究所は考えているようです。
例えば、あるミニチームに、4つのプロジェクトの7つのプロセス領域が割り当てられた場合、30時間のドキュメントレビューでは、インスタンシエーションごとに平均して約1時間のレビュー時間があります。
各プロセス領域に必要な時間は、それぞれのプロセス領域に含まれるプラクティスの数によって異なる可能性がありますが、これはスケジュールに組み込むのに妥当な時間だろうって。
それにしても多いと思います。レビュー時間が少ないと指摘されるかもしれませんのでドキュメントレビューの計画を立てるときは注意してください。と言っても、レビュー時間が少ない、説明しろと指摘してくるのはある特定の人だけなんですが。
第173号:ドキュメントレビューに何時間必要?
2018年08月24日
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ドキュメントレビューに何時間必要?