先日参加したゴルフコンペで、わずかの差でドラコンを逃しました。
自分としては快心のドライバーショットを打てたと思ったのですが、私よりも1メートル上回った人がいたんですね。うーん、悔しい。
※ドラコン=ドライバーコンテストの略。一番飛ばした人が何か賞をもらえたりするイベント。このコンペの場合は商品券二千円。
夜の打ち上げの場でドラコンを逃したことを悔しがっていると、メンバの一人から、「大久保さん、そろそろドライバー変えた方がいいですよ。今のドライバーはメチャクチャ飛びますから」とアドバイスをもらいました。
ゴルフ歴はそこそこ長いものの、滅多にコースに出ない私は15年ほど同じクラブを使い続けていました。
今のドライバーは、15年前のものと比べると、全体的ににヘッドが大きくなり、芯を捕らえやすく、かつ飛ぶらしいんですね。
飛距離を伸ばすためには、練習してミート率を上げる、筋力をつけてスウィングスピードを上げるなどの策も当然必要ですが、最適な道具も重要といったところでしょうか。
弘法じゃない私は、今の自分に合った筆を選んだ方が、良い効果がありそうです。
このコンペで一度くらいドラコンを取ってみたいと思った私は、先日思い切って新しいドライバーを買ってみました。
練習場で試打したところ、明らかにボールの勢いが増しました。
次のコンペは期待できそうです。
ドラコンを取るという目標に対して、ゴルフ道具という資源(リソース)が十分でなかったと感じた出来事でした。
CMMIの切り口で見ると、これは共通プラクティスの一つである「GP2.3 資源を提供する」という点で、必要十分なリソースが提供できていなかった、ということになります。
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CMMIには共通プラクティスという要素があります。プロセス領域を根付かせるために期待される活動であり、各プロセス領域に13個ずつ共通の要素として存在します。
GP1.1 固有プラクティスを実施する
GP2.1 組織方針を確立する
GP2.2 プロセスを計画する
GP2.3 資源を提供する
GP2.4 責任を割り当てる
GP2.5 人員をトレーニングする
GP2.6 作業成果物を制御する
GP2.7 直接の利害関係者を特定し関与させる
GP2.8 プロセスを監視し制御する
GP2.9 忠実さを客観的に評価する
GP2.10 上位レベルの管理層と共に状況をレビューする
GP3.1 定義されたプロセスを確立する
GP3.2 プロセス関連の経験情報を集める
CMMIはソフトウェアやシステム開発の改善に役立つモデルですが、その中でも共通プラクティスは、活動の見直しをかける上で役立つ要素だなと思います。
何らかの活動を行う際に、活動がうまくいっているか、やるべきことや不足していることがないかどうかを共通プラクティスの観点で見ることで、見直しをかけるべき点について気づきを得ることができます。
皆さんの組織のプロセス改善活動はうまく進められていますでしょうか?
うまく進められていない場合、共通プラクティスの切り口で見ることで、見直しをするべき点が見つかるかもしれません。以下、いくつか例を挙げます。
・「改善活動の時間がとれない」「実施する人がいない」という話をよく聞きます。これらは「GP2.3 資源を提供する」に問題があり、達成すべき目標に対して、必要十分なリソースが確保できていない可能性があります。本当にやるべき活動であれば、必要な工数の確保、人員の見直し等が必要なはずです。
・「改善活動が遅れがち」「まったく活動が進まない」というケースもあります。正しく状況がつかめていない場合は、まずは、計画に照らして状況を監視して、課題を是正する場を作る必要があります。(GP2.8 プロセスを監視し制御する)
・そもそも現実的に進められる計画になっていない場合は、計画そのものを見直す必要があります。(GP2.2 プロセスを計画する)
・計画どおり進められない原因が、担当者のスキルに起因するものであれば、必要なトレーニングを実施して進められるようにします。(GP2.5 人員をトレーニングする)
・改善活動を進めるための組織の標準プロセスが存在し、そこから実際の活動に合わせてテーラリングしたルールはあるでしょうか?(GP3.1 定義されたプロセスを確立する)
・そのルールどおり改善活動を進めていることのチェックはしていますか?(GP2.9 忠実さを客観的に評価する)
・改善活動そのものに対して活動を見直すための改善案は集められていますか?(GP3.2 プロセス関連の経験情報を集める)
・上位レベルの管理層に対して、改善活動状況の報告はしていますか? 報告した事項について、何らかのコメントは得られていますか? 得られていない場合は、状況を改善するために有効なレビューになっていない可能性があります。(GP2.10 上位レベルの管理層と共に状況をレビューする)
共通プラクティスの切り口で見ることで、ちゃんと活動が行われていることを普段から意識してみてはいかがでしょうか。
第128号:共通プラクティスで改善活動を見直そう
2014年11月25日
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共通プラクティスで改善活動を見直そう