去る2005年10月24日(月)~2005年10月28日(木)の4日間にわたりアメリカのサンディエゴでリードアプレイザとインストラクタのためのワークショップが開かれました。このワークショップは評定や教育の現場に携わる人達で経験を共有したり問題を話しあったりする場として開かれました。ここでの話題で皆さんも興味がありそうなCMMI V1.2についてお伝えします。
現行のCMMIはVersion1.1ですが、2006年8月ごろにVersion1.2がリリースされる予定です。その際気になるのはどこが変わるのか?ということだと思いますが、その場で説明があったのは下記の点です。
第20号:速報:CMMI V1.2のリリースについて
2005年11月25日
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速報:CMMI V1.2のリリースについて
・ハードウェアについての専門分野の説明が追加される
現在の専門分野はSE(システムエンジニアリング)、SW(ソフトウェアエンジニアリング)、IPPD(統合成果物プロセス開発)、SS(供給者ソーシング)の4つですが、それに追加されるということです。これにより、今まで敬遠していた業界での導入が推進されるかもしれません。
・先進プラクティスの考え方が無くなる
・共通特徴の考え方が無くなるこれらは私が入門コースでインストラクタをやっている時に説明しても意義があまり分かってもらえず混乱を招きやすい部分だったので、いっそ無くなってしまった方がすっきりすると思います。
・用語集にガイドが加わる
・NA(対象外)のプロセス領域についてのガイドが追加される
・各GPの説明が見直されるこれらは実装する人の理解を助けるための部分を分かりやすくしようという動きです。ただしNA(対象外)のプロセス領域については供給者合意管理(SAM)のみという形の限定が入るかもしれませんので要注意です。
・統合のための組織環境(OEI)が無くなり組織プロセス定義(OPD)へ移行する
・統合チーム編成(IT)が無くなり統合プロジェクト管理(IPM)へ移行する
・統合供給者合意管理(ISM)と供給者合意管理(SAM)が統合される
・作業環境についてのプラクティスが強化されるこれらは統合成果物プロセス開発(IPPD)や供給者ソーシング(SS)をもっとシンプルにしようということからのものです。具体的なプラクティスはあまり変わらないようですが、編成が多少変わりそうです。
・商業市販の成果物についてのプラクティスが供給者合意管理(SAM)から技術解(TS)へ移動する
供給者合意管理(SAM)のSP2.1が移動しそうです。個人的にはこのプラクティスはゴールや他のプラクティスとの関係が分かりづらいなと思っていたので、歓迎したいと思います。
いくつかの変更点をご紹介しましたが、見て頂ければ分かるようにモデルの本質的な部分についての変更はほとんどありません。
「今実装方法を検討中なんですけど」という方々も特に心配しなくても大丈夫でしょう。またこれらのモデルの変更につれて、正式評定手法SCAMPI)もV1.2にバージョンアップの予定ですが、同様に現在の皆さんの活動を妨げるようなものではないようです。
注:リリース時期および変更内容は現時点のものです。実際とは異なる可能性がございます。