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第17号:CMM History X, 構成を管理する話, CMMI標準教育教本リリース

2005年08月25日

  • 01CMM History X

    まいどですぅ~。CMMやCMMIの理解をより深めていただくために、私CMMセミナー担当の西田理恵子が、プロセス改善活動家なら必ず押さえておきたい情報を簡単に説明していきます。

    では今月は、CMM発展の歴史について。

    1991年に登場したCMM(SW-CMM)は、90年代後半にSystem Engineering CMM(SE-CMM)など多くの派生版を生みました。しかし、数が多すぎて使いにくいという指摘も多く、3つの派生版とSW-CMMを整理・統合したものがCMMIです。

    1991年 CMM for Software (SW-CMM)Ver1.0
    1993年 SW-CMM Ver1.1
    1994年 System Engineering CMM (SE-CMM)
    1996年 Software Acquisition CMM (SA-CMM)
    1997年 Integrated Product Development CMM (IPD-CMM)
    2000年 CMMI Ver1.0
    2002年 CMMI Ver1.1

    このようにCMM発展の歴史は、派生、統合、愛と憎しみの歴史なのです。

    今月は以上です。
    「チェ」と言えば、そりゃもちろん「ジウ」です。
    では、さようなら。アンニョンヒケセヨ。

  • 02構成を管理する話

    今回は、「GP 2.6 構成を管理する」についての話です。

    GP 2.6 プロセスの指定された作業成果物を適切なレベルの構成管理下に置く。 

    この共通プラクティスは構成管理プロセス領域と関係深いです。

    この共通プラクティスの目的は、プロセスの指定された作業成果物の一貫性を、それらの作業成果物の有用な全期間にわたって確立し維持することです。

    まず、どの作業成果物がどのように制御されるのか、はっきりさせましょう。
    モデルに記述されている、典型的な作業成果物のような物が、構成管理の対象に成り得ます。

    また、構成管理のレベルもさまざまです。版管理を行う物やベースライン管理する物、いろいろあるでしょう。同じ作業成果物でも時期によっては構成管理のレベルが異なることもあるでしょう。

    すべての作業成果物を識別し制御する必要はありません。必要なものだけ管理してください。

    モデルに記載されている構成管理下に置かれる作業成果物の例を羅列します。
    ご参考に。

    ◆成熟度レベル2
    ──┬─────────────────────────────────
    PA │構成管理下に置かれる作業成果物の例
    ──┼─────────────────────────────────
    REQM│・要件
      │・要件の追跡可能性マトリクス
    ──┼─────────────────────────────────
    PP │・作業細分化構造 (WBS)
      │・プロジェクト計画
      │・データ管理計画
      │・利害関係者関与計画
    ──┼─────────────────────────────────
    PMC │-
    ──┼─────────────────────────────────
    SAM │・作業記述書
      │・供給者合意事項
      │・合意の覚書
      │・下請け契約
      │・好ましい供給者の一覧
    ──┼─────────────────────────────────
    MA │・基礎尺度および導出尺度の仕様
      │・データの収集手順および格納手順
      │・基礎測定データおよび導出測定データの集合
      │・分析結果および報告書草案
      │・データ分析ツール
    ──┼─────────────────────────────────
    PPQA│・非遵守報告書
      │・評価のログおよび報告書
    ──┼─────────────────────────────────
    CM │・アクセスリスト
      │・変更状況報告書
      │・変更要求データベース
      │・CCB 会議議事録
      │・保管されたベースライン
    ──┴─────────────────────────────────

    ◆成熟度レベル3
    ──┬─────────────────────────────────
    PA │構成管理下に置かれる作業成果物の例
    ──┼─────────────────────────────────
    RD │・顧客要件
      │・機能アーキテクチャ
      │・成果物要件および成果物構成要素の要件
      │・インタフェース要件
    ──┼─────────────────────────────────
    TS │・成果物、成果物構成要素、プロセス、サービス、およびインタフェース
      │ の設計
      │・技術データパッケージ
      │・インタフェース設計文書
      │・設計および成果物構成要素の再利用の基準
      │・実装された設計 (例えば、ソフトウェアコード、製作された成果物構成
      │ 要素)
      │・利用者、導入、運用、および保守の文書
    ──┼─────────────────────────────────
    PI │・受領した成果物構成要素に対する受け入れ文書
      │・評価され組み立てられた成果物および成果物構成要素
      │・成果物統合の順序
      │・成果物統合の手順および基準
      │・更新されたインタフェースの記述または合意
    ──┼─────────────────────────────────
    VER │・検証の手順および基準
      │・ピアレビュートレーニング教材
      │・ピアレビューのデータ
      │・検証報告書
    ──┼─────────────────────────────────
    VAL │・妥当性確認の対象として選択された成果物および成果物構成要素の一覧
      │・妥当性確認の手法、手順、および基準
      │・妥当性確認の報告書
    ──┼─────────────────────────────────
    OPF │・プロセス改善提案
      │・組織の承認されたプロセス処置計画
      │・組織プロセス資産を展開するためのトレーニング教材
      │・組織のプロセス評定の計画
    ──┼─────────────────────────────────
    OPD │・「組織の標準プロセスの集合」
      │・ライフサイクルモデルの記述
      │・「組織の標準プロセスの集合」のテーラリング指針
      │・成果物およびプロセスの尺度の共通集合に関する定義
      │・組織の測定データ
    ──┼─────────────────────────────────
    OT │・組織トレーニングの戦術的計画
      │・トレーニング記録
      │・トレーニング教材およびそれらを支援するための作成物
      │・インストラクタの評価用紙
    ──┼─────────────────────────────────
    IPM │・「プロジェクトの定義されたプロセス」
      │・プロジェクト計画
      │・プロジェクトに影響を与えるその他の計画
      │・統合された計画
      │・プロジェクトから集められたプロセスおよび成果物の測定値の実績値
    ──┼─────────────────────────────────
    RSKM│・リスク管理戦略
      │・特定されたリスク項目
      │・リスク軽減計画
    ──┼─────────────────────────────────
    IT │・チームメンバの一覧
      │・要員へのアクセスを含む、それぞれのチームの職務機能を遂行するため
      │ の工数と資源のレベルの一覧
      │・作業タスクの正式なコミットメント一覧
      │・チームの共有ビジョンの声明書
      │・チーム憲章
    ──┼─────────────────────────────────
    ISM │・調達の実現可能性および成果物のライフサイクル全体における費用の分
      │ 析結果
      │・供給者合意
      │・相違点報告書
    ──┼─────────────────────────────────
    DAR │・正式評価プロセスをいつ適用するかに関する指針
      │・推奨される解を含む評価報告書
    ──┼─────────────────────────────────
    OEI │・個人および統合チームの権限委譲の度合いを決定するための組織指針
      │・課題解決のための組織プロセス文書
      │・組織の共有ビジョン
    ──┴─────────────────────────────────

    ◆成熟度レベル4
    ──┬─────────────────────────────────
    PA │構成管理下に置かれる作業成果物の例
    ──┼─────────────────────────────────
    OPP │・組織の「品質およびプロセス実績の目標」
      │・プロセス実績用に選択された尺度の定義
      │・組織のプロセス実績のベースラインデータ
    ──┼─────────────────────────────────
    QPM │・「プロジェクトの定義されたプロセス」に含まれるサブプロセス
      │・尺度の運用面から見た定義、サブプロセスにおけるそれらの収集ポイン
      │ ト、尺度の一貫性の判断方法
      │・集められた測定値
    ──┴─────────────────────────────────

    ◆成熟度レベル5
    ──┬─────────────────────────────────
    PA │構成管理下に置かれる作業成果物の例
    ──┼─────────────────────────────────
    OID │・先行評価から得た文書化された教訓
      │・プロセス改善および技術改善の改訂された尺度、目標、優先順位、およ
      │ び展開計画
      │・更新されたトレーニング教材
    ──┼─────────────────────────────────
    CAR │・処置提案
      │・実装するよう選択された処置提案
      │・「原因分析と解決」の記録
    ──┴─────────────────────────────────