CMMIの実践者向けの資格として、以前当メルマガでもご紹介した初級者向けのCertified CMMI Associateという資格がありますが、2016年9月に Certified CMMI Professionalという上級者向けの資格がCMMI研究所より正式にリリースされましたので、簡単に概要をご紹介します。
Certified CMMI Professional
http://cmmiinstitute.com/certifications/certified-cmmi-professional
CMMI研究所サイト内のプレスリリースはこちら。
http://tinyurl.com/j2bwfue
BUSINESS WIREニュースでは、日本語でも紹介されています。
http://www.businesswire.com/news/home/20160916005435/ja/
第152号:CMMIプロフェッショナルの資格, 【おまけ】CMMI Professional 勝手に予想問題
2016年11月25日
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01CMMIプロフェッショナルの資格
CMMI Professionalになるには:前提条件をクリアする
Certified CMMI Professionalを取得するには、CMMI Associateと同様にEラーニングの試験を受験して合格すれば良いのですが、受験するためにクリアしなければいけない前提条件がいくつかあります。
<受験するための前提条件>
a.3年以上の業務経験、2年以上のマネジメント経験、および2年以上のプロセス改善の経験があることを履歴書等で示す
b.以下のいずれかの入門用のコースを修了する
- Fundamentals of CMMI
- CMMI入門コース(開発、またはサービス)
c.Certified CMMI Associateに合格する
d.アドバンスコースを修了する
CMMI Professionalになるには、まずはCMMI Associateに合格しておく必要があります。
http://cmmiinstitute.com/certifications/certified-cmmi-associate
CMMI Associateの前提条件として、条件bの入門用のコースが指定されています。
Fundamentals of CMMIは、CMMIの基礎を紹介するCMMI研究所主催のEラーニングコースです。
下記より申込および受験できます。
http://cmmiinstitute.com/training/fundamentals-cmmi-elearning
開発のためのCMMI入門コースは、当メルマガ読者にとってはお馴染みかと思いますが、3日間でCMMIのコンセプトを学ぶ入門者用のコースです。
未受講の方は、弊社でも定期開催していますのでご検討ください。
http://www.daiwa-computer.co.jp/jp/seminar/introv1_3.html
アドバンスコースとは、CMMIモデルの構成要素の関連をより深く理解し、どのようにCMMIを効果的に実装し、組織のパフォーマンス改善に活かしていくかを学ぶ、CMMI研究所主催の中級者用の4日間コースです。
主に米国で開催されています。
Advancing Organizational Capability: Applying CMMI
http://tinyurl.com/zfu248e
このアドバンスコースは、以前はIntermediate Concepts of CMMI(通称、中級コース)と呼ばれていたもので、すでに合格済みの人は再度受講する必要はありません。CMMI Professionalになるには:受験する
これらの前提条件をクリアしたら、Certified CMMI Professionalの受験が可能になります。
試験時間は4時間、選択式の問題が60問出題されるEラーニング形式の試験で、インターネット環境があれば自宅でも勤務先でもどこでも受験できます。
このように、受験形式はCMMI Associateと同様ですが、試験時間と問題数は2倍以上なのでタフな試験となっています。試験合格後はどうなる?
試験にパスしてCMMI Professionalとして認定されると、CMMI研究所のサイト上に名前を掲載することができるようになり、自分のスキルを証明できるようになります。
http://cmmiinstitute.com/certified-cmmi-professionals
当記事執筆時点では、掲載者はまだ全世界に7人のみで日本人はいませんので、合格すれば今ならかなり目立ちますね。
CMMI Professional資格の有効期間は3年間です。3年後も資格を維持するためには、CMMI関連のセミナーやイベントに参加したり、コミュニティのサポートなどを行ったりして、3年間で60CEUという単位のポイントを獲得する必要があります。
というわけで、前提条件やコスト面を考えると、なかなか資格取得や維持のハードルが高めなCMMI Professional。
皆さんはどう思われますか?
大変なことだけでなくちょっと良いニュースも少し。
米国の技術者を対象に行った2015年の給与調査によると、CMMIの専門知識やスキルにより、給与が7.6%上昇したという景気の良い話もあるようです。
プロセス改善のスペシャリストとして、顧客や上司へのアピール、自身のさらなるキャリアアップ、あわよくば給与アップを考えておられる方は受講を検討してみてはいかがでしょうか。02【おまけ】CMMI Professional 勝手に予想問題
CMMI Professionalの試験問題は選択式だそうですが、果たしてどんな問題がでるでしょうか?
なにぶん、まだ情報が少なく、問題のサンプルもでまわっていませんのでよくわかりません。
CMMI Professional試験では、主に以下の能力があるかが評価されるようです。
・永続的にパフォーマンスを向上させる組織のロードマップを提示する
・チームメンバにパフォーマンスを改善する方法を指導する
・継続的な組織的変革活動を主導する
・継続的改善の組織文化を確立する
また、前提条件にはアドバンスコースが含まれていますので、ここから想像すると、CMMIモデルの構造や構成要素間の関連性を深く理解し、すべてのプロセス領域、特に高成熟度レベルのプロセス領域の知識や経験も駆使して、プロセスやパフォーマンスを継続的に改善する戦略を立案、計画し、組織をリードしていく人材像がCMMI Professionalには求められているように思います。
というわけで、CMMI Professional試験には、CMMIモデルプラクティスのことをより詳しく聞いたり、構成要素間の関係を聞いたり、高成熟度レベルのプラクティスのことを聞いたりする問題が出るのではないかと想像しました。
何問か予想問題を考えてみました。皆さんは解けますか?
(答えは当記事の最後にご紹介)
【問題1】下記のプラクティスを説明した文章中の(a)~(d)に入る言葉の組み合わせが正しいもの選べ
GP3.2 組織のプロセスおよび (a) の将来の利用および (b) を支援するために、プロセスの (c) および実施から導出されたプロセス関連の (d) を集める。
1) (a)プロセス資産 - (b)コミットメント - (c)設計 - (d)経験情報
2) (a)リソース - (b)コミットメント - (c)計画策定 - (d)パフォーマンス
3) (a)プロセス資産 - (b)改善 - (c)計画策定 - (d)経験情報
4) (a)リソース - (b)改善 - (c)設計 - (d)パフォーマンス
【問題2】共通プラクティスと関連の深いプロセス領域の組み合わせが正しい場合は○、誤っているものは×をつけよ。
a) GP2.9 - PPQA プロセスと成果物の品質保証
b) GP2.8 - REQM 要件管理
c) GP2.5 - VER 検証
d) GP3.1 - OPM 組織実績管理
e) GP2.6 - CM 構成管理
【問題3】下記のa~dのプラクティスは、下記のどのプロセス領域に含まれるか答えよ
a)特定された事業目標を組織が満たせるかどうかを判断するために、プロセス実績データを分析する。
b)「組織の測定リポジトリ」を確立し保守する。
c)選択されたプロセスの実績を分析し、プロセス実績ベースラインを確立し保守する。
d)組織に対するプロセスニーズおよび目標の記述を確立し保守する。
OPF) 組織プロセス重視
OPD) 組織プロセス定義
OPP) 組織プロセス実績
OPM) 組織実績管理
↓答えはこの下
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【問題1の答え】3)(a)プロセス資産 - (b)改善 - (c)計画策定 - (d)経験情報
【問題2の答え】a)○、b)×、c)×、d)×、e)○
【問題3の答え】a)OPM、b)OPD、c)OPP、d)OPF