CMMIを使ったプロセス改善をしていく場合、成熟度レベルの達成を目標としている企業が多いかと思います。その最初のレベルである成熟度レベル2には下記の7つのプロセス領域が含まれます。
・要件管理
・プロジェクト計画策定
・プロジェクトの監視と制御
・供給者合意管理
・測定と分析
・プロセスと成果物の品質保証
・構成管理
さて、レベル達成のための壁は、どこにあるのでしょうか?
私の経験上で言うと、「測定と分析」、「プロセスと成果物の品質保証」、「構成管理」の3つが大きな壁となるケースが多いようです。
その他のプロセス領域は、プロセス改善を特に意識していなくても、程度の差はあれ何かしらの活動を行っているのですが、今挙げた3つに関しての実装は、影も形も無いというところもあります。
これは、なぜなのでしょうか?
プロジェクト管理のうえで、QCDの3つが重要だということがよく言われています。
すなわち、
・Qualty(品質)
・Cost(コスト)
・Delivery(納期)
ですね。
みなさんはこの中でも、どれを一番重視しているでしょうか?
私の印象としては、「納期」だというケースが最も多いと思います。
そして壁となる3つのプロセス領域は、「納期」との関連が低いため、もともと重視されていないのではないかということが想像できます。
また、もう一つの大きな壁として、「共通プラクティス」(SW-CMMではAC以外のキープラクティス)が挙げられます。
「共通プラクティス」はプロセスの制度化のためにはとても重要なのですが、成熟度レベル1では、プロジェクトが個人に依存しているケースが多いので、このあたりが難しいものとなってしまうのでしょう。
新たにCMMIを導入する際には、これらの部分を注意深く理解し、実装していくことにより、成熟度レベル2の達成や、その後のレベルアップがスムーズに行くことが期待できるのではないでしょうか?
第10号:成熟度レベル2の壁
2005年01月25日
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成熟度レベル2の壁