読者の皆様には、運動する習慣はありますか?
コロナ禍の頃、私のまわりでは運動不足で体重が増えてしまったという話をよく耳にしました。運動しなければと思っても、忙しかったり面倒だったりして、なかなか続けるのは難しいですよね。
私自身は定期的に体を動かすためにフィットネスジムに通っておりますが、気を抜くとついサボりたくなってしまいます。
私が以前通っていたジムの廊下には、会員のやる気を促すための「運動を習慣にするための6つのポイント」をまとめたポスターが貼ってありました。
1.具体的な目標を設定する
2.頑張り過ぎない
3.マイレッスンを見つける
4.運動した日はご褒美を
5.トレーニングウェアに凝ってみる
6.パーソナルトレーナーを見つける
これはプロセス改善活動を習慣化させるためのポイントにも通じるものがありそうだなと感じましたので、CMMIのプラクティス領域(PA)とも比較しながら、かいつまんでご紹介したいと思います。
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1.具体的な目標を設定する(≒具体的な改善目標を)
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例えば「週に2回ジムに通い、1ヶ月で体重を2kg減らす」といったように、いつまでにどうなりたいかの目標を具体的に決めるとよいそうです。
プロセス改善活動においても、具体的な目標を決めることは重要です。
CMMIにおいては、プロセス管理(PCM)、実績と測定の管理(MPM)といったPAで改善目標や測定目標を設定するプラクティスがありますので、それらを参考に具体的な目標を決めて活動を進めましょう。
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2.頑張り過ぎない、3.マイレッスンを見つける(≒自分たちにあった計画策定を)
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いきなり頑張りすぎると挫折の原因となるので、疲れたときは休む、心身の調子に応じて調整するといったように、自分のペースを作って無理のない範囲で行うことが長続きのポイントになるようです。
また、ジムで用意されているスタジオレッスンやプールでのアクアレッスンなど、様々なメニューの中から自分に合ったものを見つけられると、ジムに通う楽しみができて継続につながるとのこと。
CMMIをベースとした改善活動も、ターゲットとするレベルの要求事項を満たすために無理して一度にたくさんのことをやりすぎて、推進役も現場も疲弊して長続きしない、といったことがあります。
プロセス管理(PCM)にて改善活動のサイクルを回しつつ、計画(PLAN)や実装のインフラ(II)を参考に、自分たちの特性に合わせて活動のプロセスをテーラリングし、やりきれる計画を立てて推進していきましょう。
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4.運動した日はご褒美を(≒改善がうまくいったら報奨を)
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ジム通いが面倒に感じる場合、例えば「運動したらアイスを食べても良い」などのように、運動した日の自分へのご褒美を設定すると、モチベーションを保てるとのこと。
CMMIの統治(GOV)では、人員が説明責任を果たせるよう、上級管理層が状況をレビューして組織を統治していきますが、無事に目標を達成した際は報奨を与えるなどの考え方もここには含んでいます。
活動に取り組んだ人が報われるよう、何らかのインセンティブの仕組みを整えることも検討したいところです。
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5.トレーニングウェアに凝ってみる(≒必要十分な資源確保を)
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ジムで運動する際には、お洒落なウェアやシューズを身につけると、気持ちが明るくなり、やる気アップにつながるそうです。
改善活動では、見た目はあまり関係ないかもしれませんが、これは活動を推進するにあたって十分な資源を整える、と考えると良いと思います。資源が不足すると、活動が前に進まなくなり、挫折しやすくなります。
実装のインフラ(II)には、必要十分な資源や資金を提供するプラクティスがあります。必要な人的資源を確保し、利用可能なツールや書式を整備して作業しやすい環境を整え、活動がスムーズに進められるようにしましょう。
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6.パーソナルトレーナーを見つける(≒相談できる人を)
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ジムに行っても何をしてよいかわからない、一人だと怠けてしまうという場合は、目的にあったトレーニング方法を教えてくれるパーソナルトレーナーをつけるとよいそうです。
改善活動も、初めての場合は何をどう進めてよいかわからないことも多いと思います。
計画(PLAN)、組織トレーニング(OT)、実装のインフラ(II)を参考に、活動推進に必要な知識・スキルやトレーニングニーズを特定し、トレーニングを受けて自身で活動が進められるようにしましょう。
また、必要に応じて外部の専門家の支援を受けるのも、有効な選択肢です。CMMI導入やプロセス改善がうまく習慣化されなくて困っている方は、弊社がパーソナルトレーナーとして伴走いたします。お気軽にご相談ください。
第256号:プロセス改善を習慣化するためのポイントをフィットネスジムから学ぶ
2025年07月25日

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プロセス改善を習慣化するためのポイントをフィットネスジムから学ぶ
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