計画したとおりにプロジェクトを運営しているかどうかを把握しなければ、現状を維持したまま進めてよいのか、あるいは改善した方がよいのかどうか、手の打ちようがありません。作業進捗に遅れは生じていないか、予算内に収めているかといった点を実績値をみて判断し、プロジェクトの現状を把握します。
プロジェクトの利害関係者が、計画したとおりに関与しているかを把握しておく必要があります。例えば、「技術に関する質問の回答者は○△さん」と決めたならば、その人が適切に役割を果たしているかどうかを把握するということです。4と同様、プロジェクトが進むにつれて、あるいはプロジェクトでの要求事項が変わったりすれば、関係者は増減する可能性もあります。これに合わせて計画も変更するとともに関与状況を把握しておく必要があります。
納品物が正しくインストールできたのか、環境設定は問題なくできたか、導入のためのトレーニングを適切な人々に提供できたか、トレーニングをうけた人々は自分の作業を適切にできるようになったか等を確認してください。これらの活動をすべてやらないといけないというわけではなく、実際に移行で何をやるのかは移行計画に依存します。運用と支援への移行計画に照らして、実際の移行を監視してください。
プロジェクトの運営中、計画と実績との間に大きな差異が発生した場合、早期に手を打たなければプロジェクトは失敗するおそれがあります。例えば、プログラムの検証中に見つかった課題や、リスクの状況が大幅に変化したといった問題、顧客やエンドユーザといったプロジェクト関係者が思ったとおりに関与しないなどの問題が発生した場合、まずこれらの問題を課題一覧などに集め、是正処置を実施し、対応が完了するまで状況を把握しておきましょう。そうでないと、課題を特定して処置をしっぱなしになり、場合によってはあらたに問題が発生するおそれがあります。また、その処置がどれだけ効果があったのかも確認しましょう。