情報ニーズにもとづいた測定分析の目的を明確にします。測定データ収集にはコストがかかりますので、「なぜその測定を行うのか」に答えられる明確な目的を明示する必要があります。
測定の目的は、情報ニーズから導出されます。情報ニーズは、組織の事業計画や顧客から提示された目標、プロジェクトとしての管理目標などが出所になることがあります。情報ニーズに対応した測定分析の目的を明確にしましょう。
測定の目的に対応した尺度を決めます。
この「尺度」には、作業にかかったメンバの工数や作業成果物のページ数といった、単独で算出される「基礎尺度」と、アーンドバリューや欠陥密度、顧客満足度の傾向のように複数の基礎尺度から算出される「導出尺度」があります。
尺度を定義する際は、読む人によって解釈がぶれないようにし、誰が測定しても同じ結果が得られる定義になるよう、注意する必要があります。曖昧な定義だと、誤った測定データが収集されてしまう可能性があります。
また、尺度の運用面から見た定義として、測定データを集める方法や保管場所、分析方法、使用するツール、処理の必要性を判定するためのしきい値なども決めておきましょう。
基礎尺度となる測定データを収集したり、導出尺度を計算したりします。
収集した測定データが正しいものかどうかのチェックは早期に行うのが望ましいでしょう。
測定の方法が正しかったとしても、人為的判断によるデータの分類ミスや欠落の可能性があるので、ただデータが獲得されているというだけで満足せず、内容の正しさを検証することが正確な分析をするうえで重要です。
収集測定データを分析し、関係者でレビューしましょう。
分析結果は測定の目的に対応しており、分析結果の最終利用者に正しく理解されるようになっているかという点に注意が必要です。
時として、分析担当者は誤ってデータを解釈し、正しくない結論を導いてしまうことがありえます。あらかじめ、結果の解釈基準を特定しておくことで、こういった正しくない結論を最小限に抑えることができます。
また、分析した結果、違う尺度を使用したほうが明確に状況を把握できるという場合もあります。その場合は再度尺度を見直し、データ分析をしなおしましょう。
特定された保存場所に測定データと結果を保存していること、適切な時期に参照できるようにしていることが必要です。
データの内容によっては、セキュリティを保つ必要があります。その場合は権限がある人のみ参照、更新できるように制御します。
実績データを獲得して、分析し、実績が期待される結果から逸脱している場合、逸脱を是正するための適切な処置を講じてください。是正するために考えられる処置には、原因分析、再計画、目標の再交渉などがあるでしょう。是正処置を計画し、実施し、終結まで管理してください。