CMMI V2.0 セルフチェックシート 自社のソフトウェア開発プロジェクトをチェックしてみましょう

構成管理(CM)

01
プロジェクトが作成する作業成果物について、どれを構成管理の対象にするかをプロジェクト計画時に決めていますか?
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02
構成管理計画などで、作業成果物の構成管理の方法や変更の方法を決めていますか?
※例えば、構成管理ツールを使用する、フォルダで作成途中のものと納品物を分けて管理する、成果物を変更する際に払い出しや格納の許可は誰にとるか、などといったことです。
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03
構成管理対象の作業成果物は、予定したタイミングで、レビューおよび承認を受けてベースラインを作成していますか?
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04
変更のルールや構成管理ツールなどを用いて、許可なく変更が行われないように制限をしていますか?
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05
構成管理対象の作業成果物が修正、追加・変更された理由が分かるようにしていますか?
また、以前の版の内容を識別できるようにログなどの記録を残していますか?
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06
構成管理対象とした成果物やベースラインを構成する成果物が、決められた構成管理のルールまたは要件に適合していることを監査していますか?
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構成管理とは、ある特定の時点における作業成果物がどういった状態であるかを管理することをいい、例えば、以下の問題を防ぐことができます。
(1)どのモジュールがどのアプリケーションに含まれているのか不明。
(2)稼働中の実行ファイルのソースを特定できない。
(3)顧客からの変更要望に対応しなければならないが、どれが最新のプログラムなのかが分からない。
ここでは、まず構成管理の対象とする作業成果物を決めます。プロジェクトでは開始から終了までの間、様々な作業成果物が作成されます。構成管理対象とするものとしては、顧客に納品するものや、顧客からの受領資料、プロジェクト計画書のように社内で管理するものなどを含みます。

構成管理の対象とする作業成果物を決めたならば、次はどのように構成管理を行うか、仕組みやルールを決めます。対象となる作業成果物の部品が多く複雑であったり、作業者が多い場合には、専用の構成管理ツールを使うと効果的です。
ツールの使用の有無にかかわらず、作業成果物をどこに保管するのか、取り出しや格納、修正や追加・変更の許可の依頼先などのルールを取り決めておく必要があります。

作業成果物は、プロジェクトが終了するまでの間、絶えず修正や変更される可能性があります。しかし、いつ誰がどこを修正・追加変更したかを作成当初から記録し続けるのは非効率です。
そこで、レビュー後や承認といった、ある特定の時点で一旦線を引き、その時点での作業成果物を確定した成果物として取り扱います。これをベースラインといいます。
ベースライン化した作業成果物には、レビュー結果を反映していない設計書や出来上がったばかりのソースコードといった、大幅な修正が予想される作業成果物は適していません。

ベースライン化された作業成果物を修正したり、追加・変更したりする場合は、適切な制御を行う必要があります。たとえば、変更管理ルールにしたがって、変更の許可を出すことができる権限を持つ人(プロジェクトマネージャや成果物の所有者、顧客等)から許可を得たうえで変更を実施したり、構成管理ツールを用いて変更作業中の排他制御を行ったりします。もし、誰もが勝手に変更などをできるようにしてしまうと、どれが最新版の成果物なのかが分からない状態となり、変更が不十分のものがベースラインに反映されてしまったりして、完全な状態を維持するのが難しくなるからです。

構成管理対象の成果物は、いつ、誰によって修正や追加・変更されたのか、ベースライン化された作業成果物との差異はどこか、などの情報を正しく記録しておく必要があります。これにより、前の版からの変更箇所や最新版の成果物がどういった状態なのか(例えば作業者によって修正中なのか、といった点やなぜ前の版から変更されているのか)という点を把握しやすくなります。

成果物の一貫性が維持されているかを確認するため、構成管理が正しく行われているかどうかを監査する必要があります。具体的にはベースラインの内容が管理している文書と同期がとれているか、決められた構成管理ルールが守られているか、追加や変更についての記録が正しく残されているか、変更要求に対する対処が完了しているか、要求されている構成管理を実施することが可能か、などを確認します。

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