ここでは、プロジェクトが実施しているプロセスについての客観的な評価を行います。プロジェクトが成功するには、客観的に評価することが重要です。客観的に評価するためには、評価者がプロジェクトから独立していることと、基準を用いていることが重要です。
プロジェクトメンバが自分の属するプロジェクトの評価をすると、プロジェクト内から何らかの圧力があったり、主観が入ったりするおそれがあります。
また、何をもって評価するかの基準が明確でないと、評価者自身の判断で評価をしてしまうおそれがあります。何をもって決められた方法に従っているといえるか、という点を確定する必要があります。これが基準であり、チェックリストなどの形式にまとめることによって、同じ観点で決められた方法に従ってプロジェクトを遂行しているかどうかを判断できます。
評価結果は、できていた点も含めできていなかった点も記録します。
ここでは、作業成果物についての客観的な評価を行います。各種設計書のレビューやプログラムのテストでは、顧客から提示された要件といった作業成果物固有の要件を満たしているかという点をもってチェックします。他方、ここでの作業成果物の客観的な評価では、計画したとおりの方法で作業成果物が作られていることを評価します。
場合によっては、同じ作業成果物についてみることがありますが、レビューやテストと品質保証では観点が違うことに注意が必要です。
客観的な評価をしたものの、その結果が適切に報告されなければ、プロジェクト内で決められた方法に従っているのかどうかはもちろん、問題を見過ごしたままプロジェクトが遂行されたり、作業成果物が作成されたりするおそれがあります。
評価結果は、プロジェクトリーダやプロジェクトマネージャ、場合によっては経営層などにも報告することが必要です。なぜなら、解決にあたってはプロジェクト内では対応しきれないものや組織全体で対処が必要な場合もあるからです。
評価者は、評価結果の報告の他、プロジェクトができていなかった点についての対処方法、及び対処結果も把握しておく必要があります。
品質保証の結果は、記録として管理しておく必要があります。なぜなら、品質保証活動は1回限りで終わるものではなく、次回以降もその記録を参照しながら実施するからです。これは、プロジェクトが決められた方法に従わなかった点について、きちんと解決しているかという点を確認することにも使われます。
また、記録を残すことによって、プロジェクトではどういった傾向があるのか(例えば、進捗管理はきちんと行っているが、課題管理についてはおろそかになりがちであるといった)が把握できるようになります。